老化細胞の除去でアンチエイジング?

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2018.08.21

国際部

老化細胞は周りの細胞の老化を促進し、老化細胞の除去は身体機能の改善と寿命を延長させるという研究成果が8月13日、米国University of Minnesota Medical Schoolからプレスリリースされた。研究の詳細は「Nature Medicine」オンラインに掲載された。

Institute on the Biology of Aging and Metabolism (iBAM)のアソシエイト・ディレクター、Robbins博士は「老化は細胞で始まる。我々は疾患の一つではなく、プロセスとしての老化を研究する」と述べている。

研究はまず、老化細胞の影響の検討から行われた。老化細胞のヒトおよび動物の組織への導入が、周囲の細胞に影響を与えるかどうかを調査した。その結果、驚くべきことに、わずかな老化細胞を移植することで、周囲の細胞の老化が促進され、身体の機能障害が引き起こされた。さらに、高脂肪食が一種の代謝ストレスの原因となって、老化細胞に由来する機能障害を増強することも確認した。続いて、これまで研究が進められてきた、老化細胞除去薬もしくは老化細胞死誘導剤と呼ばれる薬剤senolyticを老化細胞移植マウスおよび自然に老化したマウスに投与する研究が行われた。その結果、両マウス共に身体機能障害が緩和され、薬剤投与後の生存率は36%増加、死亡ハザードは62%に低下した。

iBAMのディレクター、Laura Niedernhofer氏は「この研究は、老化に伴う身体的衰退に対処するだけでなく、細胞の老化を誘導する可能性のある放射線療法や化学療法の治療を受けたがん生存者の健康維持にも有望である」と述べている。

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