肥満手術後5年目の治療満足度調査を実施
2019.08.27
国際部
肥満手術から5年後の全体的な治療満足度に関する調査結果が8月17日、「Obesity Surgery」オンラインに掲載された。
肥満手術後患者の最大30%が、長期治療結果に不満足であるという過去の調査結果が出ている。今回の研究では、肥満手術から5年後の全体的な治療満足度と、肥満度指数(BMI)および健康関連の生活の質(HRQOL)との関連を検討した。調査対象は十二指腸スイッチ術1を受けた108人と腹腔鏡スリーブ胃切除を受けた153人。治療満足度を単一の質問で評価し、ロジスティック回帰で分析した。
その結果、手術の5年後で患者の82.4%は非常に満足または満足していたのに対し、17.6%はわからないまたは不満と回答した。不満/わからないという回答に関連していたのは、より高いBMI(オッズ比6.1、p<0.001)、肥満特有のHRQOLの低下(オッズ比3.0、p=0.03)、精神的HRQOLの低下(オッズ比0.3、p=0.02)だった。また、十二指腸スイッチ術と比較して腹腔鏡スリーブ胃切除術で不満/わからないと回答した患者が多かった。HRQOLの低下、およびBMIの増加は、肥満手術5年後の全体的な治療満足度の低下と関連していた。手術の種類ごとの治療満足度の違いは、さらに調査する必要があると研究者らは述べている。