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クレンジング化粧品の刺激性低減にエクトインが効果

クレンジング化粧品の有効成分である陰イオン界面活性剤の刺激性低減のための試験結果が321日、「Molecules」オンラインに掲載された。

クレンジング化粧品は、皮膚の炎症を引き起こし、脂質バリアを乱す刺激性を持ち、特にアトピー性皮膚炎を持つ人々にとって、症状を悪化させる可能性が高いため、大きな問題となってきた。

今回、この問題解決のため、クレンジング有効成分の陰イオン界面活性剤に対するエクトインの影響を分析した。エクトインは、塩分を含んだ湖水や砂漠を好んで生息する微生物を由来とする環状アミノ酸で、形状は白色フレーク状の物質。ヒトの皮膚の水分量を維持し、皮膚を保護する作用を有している。研究では、モデルシステムに基づいて、4つのアニオン性界面活性剤の刺激効果に対するエクトインの効果と、皮脂可溶化能の分析を行った。

モデルシステムに基づいて、4つのアニオン性界面活性剤の刺激効果に対するエクトインの効果と、皮脂可溶化能の分析、また、抗酸化活性および細胞毒性評価も実施したところ、エクトインをアニオン性界面活性剤溶液に添加することで、安全性が向上することが示された。添加後には、刺激電位の低下(約20%)とモデル皮脂の可溶能力の低下(約10-20%)が認められた。また、細胞毒性が最大60%減少することも認められた。これらの結果から、エクトインがクレンジング化粧品の安全性を向上させる成分となる可能性が示された。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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