顔以外にも肝斑、遺伝的要因も示唆か
2013.09.13
編集部
テレビCMなどの影響により、顔の両側に対称にできる薄いシミ=肝斑という認識が高まった。今回、「Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology」9月号に掲載された論文では、顔以外の部分できた肝斑の特徴を分析した。
研究は、顔以外に肝斑ができた患者45人と肝斑のない対照者45人の比較で行った。
肝斑患者の平均年齢は56.67歳(±8歳)で、大部分が女性であり、その女性の82.1%は閉経を迎えていた。ホルモン剤などの薬品使用や調査時点での疾病と肝斑の関係は見られなかった。肝斑患者では、顔面肝斑を含む家族の肝斑既往歴が高かった。細胞検査により、肝斑患者の細胞ではメラニン濃度が有意に高く、メラニン細胞数は対照者と差はないことがわかった。
今回の研究では、顔面以外の肝斑は更年期、家族歴に関係すると示された。また、組織病理学では、顔以外の肝斑も太陽光による色素沈着が異常なメラニン産生を起こした結果であることを示唆し、これは顔の肝斑と同様のパターンであることを示した。
ホルモンバランスが崩れる30-40代の女性に多く発症すると言われ、顔の両サイドに薄くできることがよく知られている肝斑の特徴だが、顔以外の部分にできた肝斑は家族歴が大きく関わるという、遺伝的要因も示唆される結果となった。