クレンジングオイルの物性とメイク落とし時の心情に関連性を確認

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2021.11.12

編集部

株式会社ファンケル(神奈川県横浜市/代表取締役社長執行役員CEO:島田和幸)は11月9日、クレンジングオイルの物性とメイク落とし時の心情に関連性があると発表した。これは、東京家政大学との共同研究で確認されたものだ。

研究ではまず、被験者の額に脳波計、頸部と上肢に表面筋電図※計の電極を装着し、メイク落とし中の筋活動と脳波を測定した(図1)。試験品はクッション性の高いクレンジングオイル(以下、試験品)、クッション性の低いクレンジングオイル(以下、比較品)の2種。

図1

次に、顔にかかる力の大きさを筋活動量で比較測定した。具体的には、メイク落とし中の顔にかかる力を左右の胸鎖乳突筋の筋活動量を用いて測定した。試験品と比較品で比較した結果、クッション性の高い試験品のほうが筋活動量は小さいことが確認された(図2)。

図2

このことから、クッション性によってメイク落とし中に顔へかかる力は異なり、クッション性の高い試験品は顔にかかる力が低く、肌への負担も少ないことが分かった。

続いて、メイク落とし中の脳波から算出された快適性の値を心地良さの指標とし、メイク落とし前後の変化量の推移を調べた(図3)。

図3

これが示すようにクッション性の高い試験品は、メイク落とし前と比較してクレンジングオイルを手になじませた時や、メイク落とし後の心地良さの変化量がクッション性の低い比較品より良い結果となって現れた。このことから、クッション性の高さは、心地良さを感じやすいことが推測された。

そしてメイク落とし中の筋活動量とメイク落とし後の心地良さの変化量の関係を解析した結果、負の相関性が認められた(図4)。

図4

この結果から、力をかけずメイク落としすることが、その後の心地良さにもつながることが示された。つまりクッション性の高いクレンジングオイルで、力をかけずにメイク落としをすることは、メイク落とし中に肌にストレスをかけないだけでなく、メイクを落とした後の心地良さという心情面にも効果をもたらすことが期待できると考えられた。

今回の研究の背景には、化粧時の行動解析について、筋の動きに着目した研究は多くないという現状があった。そこで同社らは、メイク落とし中の上肢および頸部の筋活動という新たな指標を用い、これまで明らかにされていないメイク落としという行動の解析を行うことになった。

同社らは今後も、メイク落とし以外にも筋活動量と脳波を用いた研究を続けていくとしている。また、スキンケア製品など化粧品を使用する際に肌が受ける力や感触が与える心情的な変化の研究を進め、より心地良く、快適性の高い化粧品の開発につなげていくとしている。

※:表面筋電図:皮膚に電極を貼付し筋の活動電位を測定する方法。人体への侵襲は軽度であるためリハビリテーション、人間工学の分野において多く用いられている。

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