2020年度の自然派・オーガニック化粧品市場は前年比94.5% 矢野経済研究所が調査
2021.11.26
編集部
株式会社矢野経済研究所(東京都中野区/代表取締役社長:水越孝)は、国内の自然派・オーガニック化粧品市場を調査し、製品カテゴリー別や流通経路別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
同調査は、2020年度の自然派・オーガニック化粧品市場※は、ブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比94.5%の1,330億円と推計した。
※過去に遡って2018年度、2019年度の市場規模を見直した。
2016年の調査以来(2011年度の市場以降)、初めて前年度割れとなった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛や緊急事態宣言下での店舗休業、時短営業などが市場マイナス要因となった。
また、2020年度の自然派・オーガニック化粧品市場におけるトピックスとしては、コロナ禍で最も大きく変化したのは販売チャネルであることをあげた。それはコロナ禍が収束しても、中長期的に影響を及ぼす見通しで、チャネル戦略そのものの方針転換にまでおよぶこととなったとしている。
加えて、コロナ禍を契機にECチャネルの重要性が一気に高まっていることから、企業規模を問わず、実店舗の出店とECルートを総合したチャネル戦略の再構築が喫緊の課題となっているとした。
さらに、将来展望については、2021年度は首都圏や大都市圏を中心に断続的な緊急事態宣言下にあったが、下期に入り収束の兆しが見えてきたことで回復が期待されるとした。
また、社会におけるサスティナブルやSDGsへの関心の高まりは、自然派・オーガニック化粧品市場には追い風とみている。
これについては、サスティナブルな環境を意識したライフスタイルを目指す消費者や、敏感肌と自覚する女性の増加に加え、イメージ先行の市場から、一般化粧品に求められる機能をも有するナチュラル・オーガニック化粧品が多く流通するようになったことで訴求力が高まっており、今後もその市場性を維持するものと考えられるとした。