18歳以下の日焼けサロン利用禁止法のその後
2013.10.31
編集部
米国カリフォルニア州では2011年に、全米で初めて18歳未満の日焼けサロン利用禁止を法令化した。今回の研究は、日焼けサロンがこの「利用禁止法」を遵守しているかどうかを調査したもので10日に「Journal of the American Academy of Dermatology」誌に掲載された。
2013年5月、カリフォルニア州内338カ所の日焼けサロンを対象に、調査員を「17歳女性」と名乗らせて、利用できるかどうかを電話で質問。サロン側の対応を調査した。
その結果、サロンの過半数(77%)で、「利用不可」と回答。しかし多くのサロンが、紫外線による日焼けの危険性を否定(61%)、日焼けによるメリットとしてビタミンDの生成(44%)、皮膚疾患の治療(22%)などを健康へのメリットとして話していた。
世界的に増加が見られる皮膚がんは、特に白人の罹患率が高く、日本人の20倍とも言われている。
日本では沖縄県と兵庫県加西市で紫外線の健康リスクへの影響に対する長期間の調査が実施されている。国立がんセンター研究所などが中心となって行われたこの調査などで、将来皮膚がんになりうる症状としての「日光角化症」の発症がは紫外線レベルの異なる兵庫県と沖縄県で異なること(沖縄で兵庫の5倍)、日焼けで赤くなるタイプ、黒くなるタイプなどのスキンタイプによって発症率が異なること、屋外作業を主とする職業で発症率が高いことが明らかとなっている。
日光角化症の患者数は全国で増加傾向にあり、2001年の発症数は1987年の約2倍。患者の大半が70歳以上のため、高齢化による今後の患者数増加も懸念されている。