中国の成人における大気汚染と体重およびウエスト周との関係を評価した全国調査の結果が1月26日、「The Science of the total environment」オンラインに掲載された。

大気汚染への曝露と太りすぎや肥満のリスクとの関連は既存の研究で示唆されている。今回の研究では、中国の成人の大気汚染に関連する体重とウエスト周の変化の濃度反応関連を定量化することを目的とした。2011-15年にかけて、中国の28の省/地域で1万3757人の中年および高齢者から3万4854件の観察データを収集し、全国代表縦断的研究を実施。参加者の身長、体重、ウエスト周は標準化されたデバイスを使用してインタビュアーによって測定された。十分に検証された時空間モデルで予測された、微粒子状物質（PM2.5）、二酸化窒素、オゾンなどの主要な大気汚染物質の濃度は居住地域に応じて参加者に割り当てられた。大気汚染と体重およびウエスト周の変化との関係は線形混合効果モデルで評価した。

その結果、PM2.5、二酸化窒素、オゾンがそれぞれ10μg/m3上昇するごとに、体重が0.825キロ、0.921キロ、1.379キロ増加した。また、ウエスト周囲も0.688センチ、1.189センチ、0.740センチの増加も見られた。性層別分析により、女性はPM2.5と二酸化窒素にさらされると体重が増加しやすくなることが明らかになった。