縮毛矯正剤の「ホルムアルデヒド・フリー」はホント?
2014.01.27
編集部
縮毛特有のパサつき感やボサボサ感を解消し、髪をストレートにする「ブラジリアン・ケラチン・トリートメント」(BKT)は、有害物質であるホルムアルデヒドを大量に発生することが問題となり、カナダや欧州では販売・使用が禁止されている。米国などではホルムアルデヒドの安全濃度についての規制がなされている。
「Journal of the American Academy of Dermatology」2月号(オンラインでは2013年12月10日に公開)に、南アフリカで販売されているブラジリアン・ケラチン・トリートメントのホルムアルデヒド濃度を計測した結果が発表された。調査対象は、2012年時点で南アフリカ国内で販売されているすべてのBKTブランド。全てのブランドの製品に対して、高速液体クロマトグラフィーによりホルムアルデヒドを定量した。
米国化粧品成分レビュー専門家委員会(US Cosmetic Ingredient Review Expert Panel )が設定したホルムアルデヒドの最大安全濃度は0.2%未満。7つのうち6つのBKTブランドのホルムアルデヒドのレベルは0.96%から1.4%の範囲で、推奨レベルよりも5倍高かった。このなかには、「ホルムアルデヒド・フリー」と書かれた5つのブランドが含まれていた。
ホルムアルデヒドの問題が大きく報道された2010年以降、有害物質なしのBKTの開発が進められ、ホルムアルデヒド・フリーを謳う製品も多く市場に出回っているところから、研究者らは「メーカーのコンプライアンスと消費者保護の観点から、業界による監視が必要」と述べている。