ベンチャーが育毛・増毛剤分野に参入、商品開発、販売を強化(2)

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2014.03.25

編集部

アールテック・ウエノ、脱毛症治療薬などライセンス交渉中

育毛剤市場の中で、台風の目として注目されるのが創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ(ジャスダック上場)の動き。現在、男性型脱毛症治療薬(塗布剤、化合物開発コード名RK-023)のライセンス交渉に入っている。

新規化合物RK-023(生理活性脂肪酸誘導体)は、皮膚疾患領域の男性型脱毛症治療に塗布剤がないことに着目し、病院で処方を受ける頭部への塗布剤として開発を進めてきた。

同社は2011年1月に「RK-023」の前期第2相臨床試験完了(健常者対象の安全性、薬理効果)以降、国内外の製薬企業との間でライセンスアウト交渉を進め現在、譲渡先の決定が大きな焦点になっている。

ライセンスアウト交渉は、開発権や商業化権などを譲渡することで、販売額の一定比率をロイヤルティ収入として受領し、収益確保に繋げる狙い。

同社では、現在、進捗中のライセンスアウト交渉について「脱毛症治療薬の第3相試験や製造・販売承認を含めてライセンスアウト先の製薬企業などに委ねる考えで交渉中。また、第1相安全試験が完了した睫毛貧毛症治療薬と抱き合わせで交渉している。グローバルな交渉だけに時間がかかる状況」としている。しかし、グローバル製薬企業などにライセンスアウトが確定した場合、ライセンス譲渡先が製造・販売に乗り出すのは確実なことから育毛剤各社に少なからず影響を与えそうで、今後の動向が極めて注目される。

同社の2014年3月期業績は、米スキャンポ社から便秘薬「アミテ―ザ」の受託製造が奏功して売上高前期比16・6%増の53億円、営業利益同63・8%増の12億8000万円、当期利益同52・2%増の8億5000万円と好決算になる見込み。

現在、日本人男性の3人に1人、1,260万人が脱毛症に悩んでいると推計。また、国内育毛剤市場規模は、2012年度で約620億円(売り上げベース)にのぼると見込まれている。

国内市場占有率は、大正製薬のリアップ(第1類一般用医薬品)が30%、MSD社(米メルク社の子会社、旧万有製薬)の医療用医薬品「プロペシア」(錠剤)26%と2社で市場全体の約6割近くを占める。

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