ベンチャーが育毛・増毛剤分野に参入、商品開発、販売を強化(3)

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2014.04.8

編集部

ナノエッグ、ミドリムシ配合の育毛剤を市場投入

聖マリアンナ医科大学発ベンチャーの株式会社ナノエッグ(川崎市)は、ミドリムシ配合の育毛剤「リモウ」(商品名=写真)を商品化し、市場投入した。ヘアケア製品「煌髪・キラリ」シリーズに続く第2弾。

ミドリムシ配合の育毛剤「リモウ」リモウは、ビタミンやミネラル、アミノ酸など59種類の栄養素を含む体長約0.05㍉の微細藻「ミドリムシ」(学名・ユーグレナ)のエキスとジェル状外用基剤「ナノキューブ」を配合した頭皮スキンケア。髪の毛に塗布して毛乳頭に浸透させることで、髪の毛に張りやコシ、つやを与える。今年2月から「頭皮の健康をサポートするスカルプケアローション」を錦の御旗にしながら通販主体に販売を始めている。

このミドリムシを培養してサプリメントや化粧品に用途開発した企業が東大発ベンチャーの㈱ユーグレナ(東証マザーズ)。

リモウは、両社が共同開発して製品化した。ナノエッグが開発した特殊ジェル「ナノキューブ」と薬効成分やミドリムシエキスをナノ(10億分の1)オーダーサイズのカプセル内にほぼ100%閉じ込めることができるナノカプセル化技術「ナノエッグ」を応用して頭皮細胞を活性化。合わせてミドリムシエキスが細胞に栄養を与えて毛髪ダメージを補修することを実現した。

同社にとってリモウは、2013年2月に販売した高い染毛性と毛母・毛乳頭細胞の活性化を実現した初のヘアケア製品「煌髪」シリーズに続く第2弾の商品。

同社が相次いで育毛剤を開発し、商品化に繋げた技術的要因として特殊ジェル「ナノキューブ」(ジェル状外用基剤)とナノカプセル化技術「ナノエッグ」を開発したことが大きい。

ナノキューブは、肌本来の自己治癒力(スキンホメオスタシス)を引き出す特性がある。基剤として配合することで、皮膚表皮細胞の基底細胞の増殖と分化を促進して皮膚の再生を促すことを発見した。これにより従来、不可能だった高分子量の薬物や水溶性薬物を経皮吸収することを可能とした。また、ナノキューブは、皮膚の角化細胞だけでなく毛母細胞の増殖を促進させることや既存の育毛効果のある薬剤をナノレベルで包接して頭皮内への浸透を増強させることを明らかにした。

一連の技術開発は、2008年3月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業(研究開発型ベンチャー技術開発助成事業)に採択。以降、同技術を使ってスキンケア化粧品「マリアンナ」や美容液「マリアンナプラス豊麗」、育毛剤の製品化に繋げた。「マリアンナプラス豊麗」は、今年2月に「第1回神奈川なでしこブランド」に認定された。

参考リンク
株式会社ナノエッグ

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