エステ、脱毛、”男性美容”拡大のキー握るのは50代女性?
2014.06.2
編集部
株式会社美容経済新聞社(東京都港区)産業調査部は、全国の20代~60代の男性500人、女性500人の計1,000人に、除毛やネイルケア、エステサロンでのフェイシャルケアの実施などの”男性美容”について、株式会社コンピューター・プランニング・リサーチによるインターネット調査を実施した。結果では、男性自身は項目によっては若い層だけでなく50代までも関心があるのに対して、女性は総じて男性よりもシビアな視線を寄せており、中でも50代女性の嫌悪感が目立った。
調査では、男性・女性に同じ5つの質問を投げかけ、男女の意識の違いなどを明確にして、男性美容のポテンシャルを探った。
結果では、「男性の基礎化粧品使用」については、男性70.2%、女性82.2%が「賛成」(「賛成」「どちらかといえば賛成」の合計、以下同じ)している。男性は年代があがるにつれ、賛成の割合が下がった。
「男性の脱毛・脱色・除毛」については、男性57.8%、女性52.2%が賛成。年代別では、男女とも20代~40代の「賛成」率が約60%で、中では男性20代の賛成「81%」が突出している。
「男性のネイルケア」についてはでは、男性49.4%、女性41.4%が賛成。年代別では、男性20~40代は半分以上が賛成だったが、女性の賛成率は、20代女性の「52%」以外は、全ての年代で賛成率は半数に達せず、かつ各年代とも男性の賛成率を下回った。ネイルケアに関しては、男性の方が女性より抵抗感が少ない、もしくはネイルケアへの関心が高い、という結果となった。
「男性がエステサロンでフェイシャルをすること」については、男性55.6%、女性46.4%が賛成している。男性20代~50代の賛成率は半数を超えていた。女性は20~30代は賛成が半数以上だった。エステサロン通いについても、女性より男性の方が抵抗感が低い。
「男性の整形」については、男性39.8%、女性27.6%が賛成している。男性20~30代の賛成率は共に52%と半数超えしたのに対して、女性はどの年代も賛成率が5割未満だった。年代で見ると、「整形」については、男女共に「50代」を境に印象が分かれた。
男性の美容行為については女性がよりシビアな視線を寄せていることがわかった。総じて20代女性、40代女性はなかでは寛容に受け止めている。また、女性の「20~40代」と「50~60代間」の意識の壁は大きく、50代以降の女性は、化粧品などの美容利用は「身だしなみ」として受け入れているが、それ以外の美容行為となると抵抗感を感じているようだ。ただし、50代女性は、「どちらかといえば反対/どちらかといえば賛成」という回答が全属性を通して目立つのも特徴で、流動的ともいえる。
同社産業調査部は、男性美容の普及拡大には、女性の意識、特に50代以降で今回調査での回答者として割合の高かった主婦層の意識の変化を促すことが”鍵”となると分析している。また、男性若年層は、ファッション感覚や自分のコンプレックス解消が男性美容受け入れの動機となるようだが、40代以降はシミ除去などエイジングケアに対するニーズなどが動機付けとなっていることも想定されることから、ニーズに的をしぼったダイレクトな情報提供や敷居の低い”入り口”となる施術の提供などが、関心はあっても踏み切れずにいる層の潜在需要を掘り起こせるのではないか、とまとめている。