クレンジング・メイク落とし関連技術の特許総合力ランクTOP3は?
2014.07.11
編集部
株式会社パテント・リザルト(東京都台東区)は7月11日、日本に出願されたクレンジング・メイク落とし関連技術について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用い、参入企業に関する調査結果の概要を発表した。特許の質と量から総合的に参入企業の競争力を見た「特許総合力ランキング」を集計した結果、1位 花王、2位 資生堂、3位 LOREAL(仏)。また、花王の有効特許に関する競合他社へ与える影響力の強さも判明した。同社は、詳細レポートの販売も行っている。
同調査では、化粧品に含まれる顔料など油性の基材を除去するクレンジング・メイク落としの関連技術について、1993年から2014年5月末までに日本の特許庁で公開された特許1,580件を対象としている。
総合力上位3社の有効特許(取下げ、拒絶査定、失効を除く出願件数)に関する審査経過情報を集計し、特に違いが見られた項目の概要では、1位花王は「メイクアップ汚れを拭き取る皮膚洗浄用シート」、2位資生堂は「優れた泡立ちと洗浄性とを兼ね備えた洗浄料」、3位LOREAL(仏)は「水の表面張力または界面張力を低下させる有利な特性を有する起泡性組成物」━などが注目度の高い特許として挙げられる。
そのほか、4位THE PROCTER & GAMBLE(米)は、「サリチル酸とある双極性界面活性剤との組合せを含んでなる落屑組成物」など。5位ファンケルは、「浴室や洗面台など手や顔が濡れた環境下で使用が可能で、かつ高い洗浄力を有す、水洗後のオイル残り感の無い油性クレンジング料」など。6位以下では、ノエビア、UNILEVER(蘭・英)、信越化学工業、コーセー、旭化成グループ、ポーラ化成工業などの企業がそれぞれ上位にランクインした。
各社の総合力を評価する際に利用している「パテントスコア」は、有効特許を対象として、個別特許の審査経過情報などを基に算出していることから、3社の総合力についての違いを検証する目的でBizCruncherに搭載されている「経過情報表」の一部を抜粋して整理した。
同社によると、有効特許出願件数及び有効特許登録査定件数は資生堂が一番多いものの、花王の審査官引用【他社】回数(特許庁の審査官により、他社が出願した後発特許へ拒絶理由通知書を送る際に引用された回数)は、資生堂やLOREAL(仏)を上回る。これは、当該分野で審査を受ける際に花王の特許が他社の権利化の障害となっていることを意味する。
また花王の有効特許は、LOREAL(仏)と比べると、競合他社から特許庁に対し、 多数の情報提供が寄せられていることから、花王の権利化を阻む動きが活発であることもわかった。さらに花王の有効特許に関する包袋閲覧は資生堂やLOREAL(仏)と比べると非常に多いことから、花王の審査過程に関する現状を多くの競合他社が注目していることもわかった。同社は、「花王の有効特許に関する競合他社へ与える影響の大きさが伺える」と分析している。
- 参考リンク
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簡易コンサルレポート
「特定技術分野の競合分析:クレンジング・メイク落とし関連技術」