ダイエッターを支えるエステティシャンに今、求められる資質能力とは?
2012.04.10
編集部
エステサロン従事者にとっては、すでに目の前までやってきている春夏のダイエット決戦に向けて痩身メニューづくりに本腰を入れる時期ではないだろうか。『痩身を、科学する。』と銘打った本特集では、まさにダイエット治療のエキスパートとして痩身分野を科学しつづけている渋谷DSクリニックの林 博之院長のもとを訪ね、エステティック領域における本来の痩身のあり方、そして質・効率の高い痩身メニューを提供するための心構えを、手ほどきしていただいた。
健康を害してしまっては元も子もない
日本でも数少ない「ダイエット専門医師」として、独自のノウハウを培ってきた渋谷DSクリニック 林 博之院長。医学的見地からの数値測定、遺伝子レベルでの検査などをもとに、一人ひとりの状態に合わせストレスやリバウンドのないダイエット法を提案。クリニックを訪れる多くの人が健康を損なうことなく、ダイエットを成功させている。まずは医学的立場からエステティック領域における痩身施術の考え方について伺った。
「エステティックサロンに来られるお客様は体重を落としたい、サイズダウンしたい、部分痩せしたい、など、ある程度はっきりとした目的を持って来られる方がほとんどだと思いますが、その場合にまず注意してさしあげなければならないことは、お客様が〝無理をしていないか”〝健康的に痩せようとしているか”ということです。ストイックになるあまりに絶食したり、過度な食事制限をしたりする方もいらっしゃいます。そういった過酷なダイエットは拒食症や過食症を導き、それらの疾患がうつの症状を呼ぶ恐れもあります。万が一、そのような兆候が見られた場合には、無理に施術をおすすめせず、ある程度脂肪がついていたほうが女性らしくてきれいですよ、と諭したり、専門の医者を訪ねるようおすすめしましょう。そのためにも、斡旋できるような医療機関を見つけておくのはいいかもしれません。医療機関との連携は痩身のみならずほかの施術においても、何かにつけて役立つと思います」
ダイエットは勉強と一緒!一夜漬けではなくコツコツと
ダイエットをする中でもっとも結果を左右するのが毎日の食事。渋谷DSクリニックのダイエット治療は食事療法が中心。専属の管理栄養士がおり、一人ひとりの目標とライフスタイルを踏まえた、もっとも効果的な食事法を提案している。
「ダイエットは決して楽なものではない、ということはみなさんがよくご理解されていると思いますが、一旦痩せることができたとしても、リバウンドが起こらないと安心できるまでには少なくとも3~4年かかるといわれています。つまり、ダイエットが〝成功した”といえるまでにはそれだけの長期間を覚悟しなければならないのです。ダイエットは、一夜漬けでは長持ちしない勉強と同じで、コツコツの努力が大事。そういった意味でも、短期間で急激に体重を落とすようなダイエットではなく、長い目で見て〝維持できる方法”を提案してさしあげることが大切です。まずは毎日欠かすことができない食事の面から生活を見直すことが健康的なダイエットへの一歩だと考えます」
お客様を否定しない、〝わかってあげる”ことが大事
渋谷DSクリニックには栄養士のほかにも、筋肉・骨格を整えダイエット効率を上げる「整体師」、一人ひとりのライフスタイルを把握し身体的・心理的サポートを行う「看護師」、そして一人ひとりの心身の状態に会わせて漢方を調合する「漢方アドバイザー」、睡眠や生活習慣の指導を行う「インナービューティーアドバイザー」など、各方面から高い専門性を持つエキスパートたちが在籍。さまざまな角度から患者様をサポートすることにより、確実に目標を達成できる仕組みをつくっている。
「一人だと挫折しがちなダイエットですが、信頼できる人に見守られながら取り組むことで、モチベーションが高まり目標をクリアしやすくなります。当院のように各専門家を配置するのは難しくても、エステティシャンの方が知識を備えることはできます。食事、栄養、運動、生活習慣、体の仕組みなど、幅広い知識を備えてお客様に生活習慣のアドバイスができるようになれば大きな信頼感にもつながることでしょう」
最後に、カウンセリングにおける心構えについて伺った。
「まずお客様を否定しないコミュニケーションをとること。そのつもりが無くても、ついつい理論的な説明をしたくなってしまうこともありますが、お客様も人間である以上、〝わかっていても衝動にかられてついついやってしまう”こともあります。肯定も否定もせず、お客様の話にじっくりと耳を傾け、二人三脚で頑張りましょう、というスタンスを伝えることが第一だと思います。予約日が近づいてきたら〝ダイエットは順調ですか。体調はいかがですか”と、電話でのお声掛けをしてさしあげるのもいいかもしれません。お客様に寄り添う気持ちを伝えてさしあげることで〝やっぱりここに来てよかった”という気持ちになり、リピートにもつながるのではないでしょうか」
渋谷DSクリニック
林 博之院長
東京慈恵会医科大学卒。
東京厚生年金病院形成外科医長を経て2005年にダイエット・部分痩せ専門クリニックとして渋谷DSクリニックを開設。医学的理論に基づいたダイエット方法に着目し、一人ひとりに合わせた『オーダーメイド』ダイエットを提唱している。
渋谷DSクリニック
渋谷区渋谷3-11-2 パインビル1階
TEL: 03-5464-7272
URL: http://www.dsclinic.jp