現代のライフスタイルが腸内環境を悪化させる
2015.04.21
国際部
美容と健康、さらには健康長寿のためにも腸内環境を整えることは大切だ。人は成長するにつれ腸内菌の数が減ったり、菌の種類が減ったり、「善玉菌」が減ったりと悪い環境に傾いてゆくようだ。近年、欧米のライフスタイルがこの環境悪化を進めているという研究成果も出されている。
腸内環境変化のメカニズムを研究しようと、米国とパプアニューギニアの非工業化地域に住む成人の糞便細菌叢を比較した論文が4月16日、「Cell Reports」オンライン版に掲載された。
その結果、パプアニューギニア居住者の方が、より広範な細菌多様性、少ない個人間変動、非常に多様で豊富な菌プロファイル、米国居住者では検出しなかった細菌の系統とコミュニティが見られた。研究結果は、現代のライフスタイルに起因する人の健康に影響するような細菌分布の狭さを示すとともに、欧米化の影響軽減を目的とした戦略開発の重要性も示唆している。
欧米化したとはいえ、まだまだ欧米にはないライフスタイルが残る日本との比較結果はまだない。腸内細菌に大きな影響を与えそうな食生活では、世界遺産にもなった和食がある。今後の研究が待たれるところだ。