中医薬膳の伝道師としてエステ業界に貢献

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2015.06.1

編集部

“漢方”という言葉はよく知られているが、“国際中医薬膳師”というとあまり聞きなれないかもしれない。国際中医薬膳師とは、中国政府の外郭団体である中華中医薬学会が認定している国際資格。中国の伝統医学である中医学をベースにした薬膳を実践できる有資格者のことだ。近年、健康志向の高まりを背景に、同資格を取得して料理教室などで活躍している人は多いが、エステ業界で同資格を活用する人は少ない。

プロフィール画像2エステサロン、AINHOA Eucharis Salon(アイノアユーチャリスサロン)の内田仁子さんは、国際中医薬膳師の資格を持つ数少ないエステティシャンの一人だ。エステと薬膳が一体、どう結びつくのか?同サロンでは、一人ひとりの体質に合わせた薬膳茶を開発・販売しており、その監修を内田さんが務めている。「薬膳茶を開発した当時、生薬の効能などが本によって異なり、正確な知識を得るには結構あやふやだった。だから自分で勉強しようと思い立った。同じ勉強するなら、本格的にやりたいと思ったので国際中医薬膳師の道を選んだ」(内田さん)。

薬膳茶の監修だけが、国際中医薬膳師の資格を活かす術ではない。サロンでは、施術に長い時間をかける。そんな時、「お客様に何か役立つ話ができないかと。それで、食には皆さん関心が高いので、“こういうものを食べたら健康に良いですよ”とアドバイスしている。例えば、便秘に悩んでいる方には、クルミを食べればお通じが良くなると。それだけでなく、頭の活性化にもつながりますよと」(内田さん)。

中医薬膳の知識は、施術を受けるお客とのコミュニケーションツールの一つになっており、こうしたちょっとした会話のやり取りを積み重ねることで、お客からエステ以外のこと(食による美容・健康法)でも頼りにされるようになったという。

中医薬膳では、舌の状態を見て体質を判断する“舌診”を重んじる。「鏡で自分の舌を見るだけで、簡単に体調管理ができる。そうすれば自分自身にも興味がもてるし、生活が楽しくなる」(内田さん)。同社では不定期に薬膳セミナーも開催しており、国際中医薬膳師という資格は“説得力”“信用”という部分で、参加者から強い信頼を得ている。

毎日口にする食べ物が、自分自身をつくっていくという考えに立脚するのが中医薬膳。内田さんは「“今流行っているから”“皆が食べているから”食べるのではなく、自分の体質に合ったものを探して食べほしい」と強調する。

中医薬膳の知識があれば、同サロンの薬膳茶だけに頼らずとも、「自分で自分に合うオリジナルブレンド茶も作ることができるようになる。皆が健康になれば、ひいては国の医療費も下がる。健康な身体になれば、気分も良くなって小競り合いも減る。そのうち戦争もなくなって、世界平和につながるかもしれない」(内田さん)。施術時のお客との些細な会話やセミナーなどを通じて、中医薬膳の良さを地道に広めていきたい考えだ。

内田仁子さん
黒龍江中医薬大学日本校で中医薬膳を学ぶ。
日本エステティック協会認定エステティシャンとしてAINHOA Eucharis Salonで施術に従事。

参考リンク
株式会社eu-country

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