漢方産業10兆円へ、バリューチェーン全体を産業化
2015.06.3
編集部
一般社団法人 漢方産業化推進研究会(東京都千代田区)は3日、平成27年度第1回研究会を開催し、漢方産業10兆円を目指して、バリューチェーン全体を視野に入れた産業化を推進していくことを目標に掲げた。今年度については、「徹底した出口戦略を推進していく」(代表理事 渡辺賢治氏)とした。
現在、漢方の原料は、8割以上を中国からの輸入に頼っているため、安定供給に不安が残る。また、薬用植物の取引市場が日本には存在せず、各種規制の整備も整っていない。こうした課題に対して、同研究会では、安心・安全といった付加価値のある日本製生薬の栽培と、それに併せた地方創生を目指している。
近年、多くの農業法人や地方自治体が、付加価値のある薬用植物の栽培に取り組んではいるものの、販売先が確保できておらず、「せっかく作っても売れない」(渡辺氏)状況となっている。そこで、出口戦略が求められているわけだが、主流の医薬品向けでは薬価の壁と、高騰している中国産との価格差が問題となっている。そのため、積極的な海外市場の開拓が必要との認識が示された。
漢方産業のバリューチェーンは、生薬栽培の川上から、国内外市場での消費に至る川下までを網羅した形を想定しており、医療向けのほかに健康、審美・美容などへの応用までが含まれている。
- 参考リンク
- 一般社団法人 漢方産業化推進研究会