煎じ用生薬の使用量が2年間で15%減少
2015.06.16
編集部
第66回日本東洋医学会学術総会(6月12日~14日開催)では、最終日の14日に生薬原料委員会報告会が開催された。国内の医療用生薬販売メーカー4社に対して、煎じ用生薬数量に関する調査を実施したところ、煎じ用生薬の使用量が2年間で15%減少していることがわかった。
同調査では、上位120品目について、平成22年度と同24年度のそれぞれの生薬使用量を調べた。この結果、平成22年度の総量が約448tに対して、同24年度は約383tと、使用量が減っていることがわかった。「煎じ薬の使用規模が縮小しているわけで、大きな課題」(浅間宏志氏)との認識が示された。
また、日漢協がまとめた平成24年度の生薬使用量(漢方製剤など全体)と比べると、日漢協調査では中国産が全体の80%を占めているのに対し、今回の調査では87.5%とより中国産に依存している実態が明らかになった。
一方、日本産については、日漢協の調べで全体の約12%に対して、今回の調査では4~5%を占め、「日本産の煎じ用生薬は数量ベースでは少なくなっている」(浅間氏)。
個別の生薬の状況を見ると、上位10品目については、ブクリョウの使用量が最も多く、シャクヤク、オウギ、ビャクジュツなどと続いている。平成22年度と同24年度では若干の順位の入れ違いはあるものの、中身は同じだった。
日本産だけの使用状況を見てみると、上位120品目のうち33品目は日本産があることがわかった。中でもセンキュウやボレイなどが上位を占めており、「今後も継続していくために様々な施策が必要」(浅間氏)とした。
- 参考リンク
- 一般社団法人日本東洋医学会