資生堂、花王が動物の生体実験による化粧品の開発を廃止
2013.03.8
編集部
資生堂は、4月から化粧品や医薬部外品等の研究開発においてこれまで動物の生体を使った毒性試験などを全面的に廃止し、新たな品質保証体系に基づく代替法を推進することになった。花王やコーセーなども動物を使わない新たな動物代替法の開発に取り組むなど今後、化粧品、医薬部外品の関連企業に急速に広がる見通し。
資生堂が開発した動物代替法は、これまで動物実験で蓄積してきた安全性のデータベースやシュミュレーション技術及び目、皮膚などの毒性評価・試験モデルなど。
これらの代替法と情報やヒトによる最終確認(ヒトバッチテストなど)の三ステップで化粧品、医薬部外品などの原料の安全性を保証する体系を確立したもの。4月から安全性保証体系に基づき化粧品、医薬部外品の開発、製品化を進める。
同社では、開発した代替法について日本、米国、EU、カナダ四ヵ国で構成する代替法評価機関「医薬品規制調和国際会議」に提案し、正式な実験法として認可を働きかける計画。
花王も動物実験廃止に向けて追随する。同社は、すでに目刺激性試験代替法や培養細胞を用いた試験法、皮膚感作性試験代替法を確立し、実際の安全性評価に応用している。
コーセーは、皮膚刺激性の弱い原料でも安価で迅速に評価できる皮膚刺激性試験の代替法を開発。今後、水溶性物質の評価を含めた皮膚刺激性評価スキームの構築を図る。
また、カネボウ化粧品も代替法に取り組むなど化粧品、医薬部外品関連企業に代替法が拡大して行くと見られ、企業の社会的責任の一環として導入する企業が増えるのは必至だ。