「胃の中で風船」でダイエット
2016.11.10
国際部
2016年9月8日にアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を受けた体重管理用の医療デバイスObalon Balloon Systemに関する試験報告が11月4日、国際的科学イベントであるObesityWeek 2016で開催された肥満国際会議で発表された。Obalon Balloon Systemは胃の中にバルーン(風船)を留置して満腹感を与え、減量に導く医療デバイス。バルーンは服用可能な小さなカプセルに入っており、胃の中で膨らむ仕組みで、内視鏡で取り出し可能のため、外科的手術なしに利用可能というメリットがある。製品はObalon Therapeutics社(カリフォルニア州カールスバッド)の開発で、来年1月には一部市場に投入を予定しているとのこと。
今回の研究では、BMI30から40を有する387人の肥満患者をObalon balloonと偽のカプセルの治療との2グループに分けて治療を開始した。6カ月後に内視鏡によってバルーンまたはカプセルの除去を受けた。バルーングループの平均減量率は6.81%、対照のカプセルグループでは3.59%だった。バルーングループの6カ月の治療期間で達成された有意な体重減少は、その後12カ月間維持された。重篤な有害事象は1件、軽度から中等度の有害事象は患者の約90%で見られた。主な症状は腹部けいれんや吐き気だった。
論文の共著者でニューヨーク州立大学ストーニーブルック校で肥満外科のチーフを務めるAurora Pryor医師は「ライフスタイルの変更とバルーン療法の組み合わせは、肥満に苦しむ患者に新しい低リスクのオプションを提供するものだ」と述べた。