サツマイモペプチドにダイエット効果
2016.12.16
国際部
サツマイモに含まれるペプチドがダイエットに効果的かもしれないという論文が12月7日、「Heliyon」オンライン版に掲載された。
北海道農業研究センターの石黒浩二博士らによるこの研究では、サツマイモでんぷん0.5%または5.0%を含む高脂肪の餌を28日間与えたマウスを用い、体重、肝臓重量、腹部脂肪組織量、血清中脂質、アディポサイトカインへの影響を評価した。
その結果、マウスの体重、肝臓重量および精巣上体および腸間膜脂肪は、対照マウスより有意に低いことがわかった。リポタンパク質のVLDLおよびLDLとレプチン値も有意に低かった。また、サツマイモペプチドを摂取したマウスではアディポネクチン、αメラノサイト刺激ホルモンおよびニューロメジンUが1.5倍以上高かったが、TNF-αは約1.5倍低かった。これらの結果は、高脂肪食を投与したマウスにおいてサツマイモペプチドがレプチン耐性を軽減し、満腹感を持つことのできるペプチドレベルを維持することを示唆する。
研究に用いたサツマイモペプチドは、サツマイモの加工の際に出るでんぷん質を含んだ排水から抽出した。加工食品やでんぷん、焼酎、飼料の原料として用いられるサツマイモにはでんぷんを含む排水が大量に出るため、廃棄物の利用としても有用と研究者らは述べている。