遺伝子解析でシュウ酸の少ないほうれん草を特定

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2017.02.3

国際部

カルシウム吸収の妨げとなるシュウ酸を多く含まない「ほうれん草」の研究が進んでいることが1月30日、アメリカ合衆国農務省(United States Department of Agriculture:USDA)のサイトに掲載された。

シュウ酸またはシュウ酸塩は天然に存在する植物性の化学物質で、カルシウムや鉄などと反応してミネラルの吸収を抑制する。人の食生活では腎臓結石の原因であること、また骨粗しょう症にも関連すると考えられている。

米国農業研究事業団(Agricultural Research Service:ARS)の研究者らは、今回、シュウ酸塩の含有レベルが低い8種のホウレンソウ品種の特定に成功した。ARSの遺伝学者、Beiquan Mou氏らは、310種のホウレンソウ品種の遺伝コードを解析し、シュウ酸塩レベルに寄与する遺伝子に関連する6種のDNAマーカーを同定した。この結果は、シュウ酸塩濃度を低下させる品種改良に役立つ可能性がある。

ホウレンソウは、作物の中では高濃度のシュウ酸塩を含んでいますが、世界的、経済的に重要な野菜作物であり、その他の多くの重要な栄養素が豊富であるため健康的な食品だと考えられている。ビート、ルバーブ、イチゴ、ナッツ、チョコレート、茶、小麦ふすま、およびほとんどすべての乾燥豆などの食品も尿中のシュウ酸塩を増加させることが知られており、腎臓結石の形成に寄与する可能性がある。

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