那須高原の食材を活かした薬膳和食会席を開催

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2017.02.24

編集部

「那須高原の食材たちと新・薬膳和食会席を楽しむ夕べ」が23日、都内のなすの屋 銀座で開催され、春の到来に合わせた薬膳料理が振る舞われた。メニューの監修を務めた一般社団法人 日本薬膳学会 代表理事の髙木久代氏(鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部 教授)は「毎日の食事が大切。病気にならないよう、日本人にあった薬膳を食べてほしい」と参加者らに呼び掛けた。

今回提供された薬膳コースは、那須高原の新鮮な食材を使って調理したもので、日本の風土や、日本人の体質に合せた料理となっている。「薬膳は中国ではじまったものだが、日本人に合った薬膳を考えないといけない。和食は長寿食として世界でも認められているので、和食の良いところと、中医薬膳の良いところを織り交ぜた新しい薬膳が必要」(髙木氏)との認識を示した。

内閣府の発表した年齢区分別将来人口推計によると、2010年時点の75歳以上人口が約1,400万人いるのに対して、2020年には約1,900万人に増加。さらに、日本の全人口が1億人を割った2060年には、75歳以上人口が約2,300万人に増える見通し。「75歳以上の高齢者を支える若い世代が減ってしまうことを考えると、自分たちの力で健康を維持していくしかない」(髙木氏)として、そのための手段として薬膳を実践することで、病気にならない体づくりが必要だと訴えた。

今回の薬膳メニューは、冬から春になる季節の変化に対応できるよう、イライラした気分を払いのける理気作用の食材(ジャスミンなど)のほか、補血の食材(黒豆、黒胡麻、ほうれん草など)、滋陰の食材(山芋、白きくらげ、ハマグリなど)を採用。併せて、アンチエイジングの要素も盛り込んだ。

具体的には、まず八寸として「那須の春の温野菜サラダ紅花添え」「スティックごぼうの黒胡麻和え」「南瓜のクルミ和え」「黒木耳と海老のコンソメゼリー寄せ」が最初に振る舞われた。次いで「はまぐりの吸い物」「聖護院大根と合鴨の治部煮 赤ワイン仕立て」「那須の和牛の葱の包み焼 ブロッコリーのくるみ和え」「ほうれん草となつめのキッシュ」「竹の子と黒木耳と昆布の酢の物」「黒豆生姜ごはん」と続き、デザートとして「山芋豆乳寒天ブルーベリーソース」が提供された。

最後の締めには、体質別の薬膳茶が登場。事前に配布された「体質チェックシート」に参加者らが記入した後、「気虚」「気滞」「血虚血瘀」「痰湿」の4タイプに合せた薬膳茶(気虚は杜仲茶、気滞はジャスミン茶、血虚血瘀は黒豆茶、痰湿はとうもろこしのひげ茶)を各自が堪能した。

今回のメニューは、全部でエネルギーが781kcalで、塩分もほとんどない。特にカルシウム、鉄、亜鉛については、「1日に必要な量の2/3は摂取できるように構成した」(髙木氏)。

「夕べ」は、株式会社ゼネラルフード事業スタジオ 代表取締役の石川幸千代氏がプロデュース。来賓としては、那須町長の高久勝氏をはじめ、日本商工会議所 理事・事務局長の小野明氏、服部学園 常務取締役の服部津貴子氏、明治大学 教授の山下洋史氏らが招かれた。

参考リンク
一般社団法人日本薬膳学会
那須高原の食卓 なすの屋 銀座

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