1日8杯の水飲みダイエットの結末
2017.03.16
国際部
肥満の若者に1日8杯の水を飲むアドバイスは効果がなかったという研究結果が3月6日、「JAMA Pediatrics」オンライン版に掲載された。
減量のために水を飲む量を増やすようにと言うアドバイスは一般的である。今回は米国マサチューセッツ州ボストンのボストン児童病院で38人の肥満もしくは過体重の子どもを対象に試験を実施した(女児27人、男児11人、平均年齢14.9歳)。実験は日常の水の摂取量が1日4杯以下と報告した参加者で構成された。参加者38人全員に食事カウンセリング、毎日のテキストメッセージ、健康ガイド付きの料理本を含む減量介入が行われ、水の摂取量を1日8杯に増やすアドバイスを受けたかどうかのみで2つに無作為に分けられた。結果は6カ月間の体重変化とした。水の摂取量を増やすグループには1日8杯を遵守するために、カウンセリングと毎日のテキストメッセージ、ウォーターボトル、フィルター付きウォーターボトルが渡された。
その結果、実験前の1日の平均の飲用水摂取量は2.0杯だった。6カ月後には摂取量を増やしたグループは1日平均2.8杯、もう一方のグループでは1.2杯増えていた。体重指数zスコアは両群に差が見られなかった。介入にも関わらず、水の摂取量を1日8杯にすることはできなかった。「水の摂取量を1日8杯に増やすことは、環境の問題と減量の課題に焦点を当てた介入なしには実現不可能かもしれない」と研究者らは述べている。