ストレスは女性の腸内環境に強く影響する
2017.10.20
国際部
ストレスはジャンクフードと同じくらい健康に悪影響を与える可能性があるという研究結果が10月16日米ブリガム・ヤング大学サイトに掲載された。研究の詳細は「Scientific Reports」オンラインで発表されている。
同大学微生物学分子生物学のLaura Bridgewater教授は高脂肪食を与えたマウスを使った研究で、ストレスに曝されると消化器官や代謝にとって重要な腸内微生物叢に変化があることを発見した。「ストレスは多くの点で有害でありうるが、この研究は腸内微生物叢への女性特有の変化とストレスが結びついていることを新しく発見した」とBridgewater教授は述べた。「ストレスは時に純粋な心理学的現象と考えられることがあるが、直接的、物理的な変化をも引き起こすものである」。
研究は中国の上海交通大学と共同で実施された。8週齢のマウス群の雌雄からそれぞれ半数に高脂肪食を与えた。16週間後、すべてのマウスに18日間にわたる軽度のストレスを与えた。マウスの不安度の測定と糞から微生物DNAを抽出して腸内細菌叢にどのような影響があったかを評価した。その結果、高脂肪食の雄マウスは、高脂肪食の雌マウスより不安度が高かった。また、ストレスに応答して活動の低下が見られた。しかし、ストレスによる腸内微生物の組成の変化があったのは高脂肪食の雌マウスのみだった。社会では、女性はストレスに関連したうつ病と不安の割合が高い傾向があることから、研究者らは、ストレスに対するこのような性差は人間にとっても重要な意味があると考えている。