全理連、日本の「バーバーポール」掲げ国際化へ対応
2018.01.11
編集部
<2018年の年頭所感>全国理容生活衛生同業組合連合会 理事長 大森利夫氏
明けましておめでとうございます。健やかに新年をお迎えのことと存じます。旧年中は、連合会の事業の推進に一方ならぬご協力を賜り深謝しています。
さて、近年問われてきた国際化への対応ですが、特に昨今、全国どこを訪ねてもその進展を感じます。昨年は、2000万人を超える訪日外国人とのことであり、このことは日本経済に大きく影響を与えてきますから、私共理容業も昨年に引き続き積極的なインバウンド対応に取り組みたいと思っています。
私は昨年9月、理美容世界大会でフランス・パリを訪ねたとき、以前から興味を持っていた業界の世界共通であるバーバーポール(国内ではサインポール、あめん棒、古くは有平棒)について、EUを中心にそのアンケート調査を行ってみました。中世ヨーロッパでは理容師が外科的医療行為を行い、その当時の瀉血(しゃけつ)治療がバーバーポールのルーツであり、1540年、イギリスのヘンリー8世によって理容組合と外科医組合の統合があり「理容師・外科医組合」が発足。「外科医は赤と白」また、「理容は青と白」のポールを掲げ瀉血や抜歯等も業としていたのです。
このバーバーポール、昨今はマスコミなどで理容以外の場面でも使われていますが、これはサインポールが人々の生活に密着して引き継がれてきたことの証ともいえます。
2年後に東京オリンピック・パラリンピックを控え、2020年には4000万人の外国人が訪れるとの政府予想も出されるなど、理容業界を取り巻く環境も変化が見込まれます。全国理容連合会では、訪日外国人にとって利用しやすい理容サービス提供のできる体制づくりを進めていますが、世界共通の理容の目じるしの日本のバーバーポール(日本では上から赤は動脈(血液)、白は包帯、青は静脈の意)で、それぞれのサロンを知ってもらい、来てもらい、楽しんでもらい、売り上げ向上につないでまいりましょう。
長い歴史の中で、身だしなみを整えるだけでなく医療行為をも行い、人々に深く関わってきた、この業に誇りを持ち一層の飛躍への責任を誓い、私の年頭の挨拶とします。
- 参考リンク
- 全国理容生活衛生同業組合連合会