訪問理美容師、30代前半の若い世代が増加
2018.03.5
編集部
近年、30代前半の若い世代の訪問理美容師が増えている。新たな挑戦として訪問理美容に取り組もうと思っている人が多いようだ。
株式会社リクルートライフスタイル(東京都千代田区)ホットペーパービューティーアカデミーとNPO法人全国福祉理美容師養成協会(理事長・赤木勝幸氏)による共著『訪問理美容アクションBOOK』の中で、訪問理美容の動向を紹介している。
3年前までは、訪問理美容を行っているのは40~50代のオーナーが多かった。ここにきて若い世代が増えたのは、「地元に帰ってサロンを開くけど、近所は高齢者が多く、ニーズがありそうだからやってみよう」という動機からのようだ。
また、「自分の親や身内のために」という動機も多く、「自分の技術を活かし、大切な人の役に立ちたい」と思っている。
ホットペーパービューティーアカデミーによると、2025年までに75歳以上の後期高齢者の約6割が訪問美容を利用したいとの調査結果があり、その理由が「身だしなみを大切にしたいから」が最も多い。併せて介護保険制度がスタートし、生活の質を上げるようなケアに変わったことが、訪問理美容のニーズ増加に結び付いているという。
すでに訪問理美容に取り組んでいる理美容師の売上も順調。ヘアカラーやパーマの需要が高まっていることが背景にある。利用者の大多数はこれまでサロンに通っていたため、「これまで通り理美容師に切ってもらいたい」という意識を持っているようだ。
さらに介護保険制度では理美容は保険対象外ではあるものの、介護サービスに対して対価を支払うのが当たり前との感覚が定着したことで、訪問理美容は「“ボランティア”から“お金を頂く仕事”」に変わっていったと分析している。