美容の業況判断DIは1.6ポイント改善

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2018.05.7

編集部

株式会社日本政策金融公庫(東京都千代田区)が公表した生活衛生関係営業の景気動向等調査結果(2018年1~3月期)によると、美容業(458企業)の業況判断DIはマイナス31.7と前年同期に比べると1.6ポイント改善したことがわかった。

美容業の売上DI(前年同期対比「売上増加」企業割合-「売上減少」企業割合)は前年同期に比べて5.8ポイント改善してマイナス31.0となった。採算DI(当該期「黒字」企業割合-「赤字」企業割合)は同4.2ポイント大幅改善のマイナス3.7となった。

また、利用客数DI(前年同期対比「利用客数増加」企業割合-「利用客数減少」企業割合)は前年同期に比べて0.6ポイント改善してマイナス36.5となった。客単価DI(前年同期対比「客単価上昇」企業割合-「客単価低下」企業割合)はマイナス14.9と前年同期に比べて0.6ポイント悪化した。

設備投資実施割合の推移を見ると、美容業は9.2%と前年同期に比べて0.2ポイント低下した。

美容業の経営上の問題点については、「顧客数の減少」が59.4%と最も高く、依然と深刻な状況が続いている。次いで、客単価の低下(26.2%)、従業員の確保難(20.7%)などと続く。

地域別に美容業の特徴的な動きを見ると、北海道においては、従業員が退職後スタッフを募集しているものの確保できないため、効率的な作業ができず、お客の対応に影響が出て苦慮しており、業況は悪化している。岩手県においては、今年は雪が多く客足が多少鈍ったものの、成人式や卒業式などのイベントが多い時期なので現状維持はできるとしている。

鳥取県においては、昨年は降雪があったものの、冷え込みが少なくそれなりの来客数があったが、今年は冷え込みが厳しく足元が不安定との声が多く聞かれ、来客数が伸びなかったため、業況は悪化した。

一方、5県の経営改善に向けた取り組み事例を紹介。千葉県では、美容室をビルの1階・2階で展開していたが、スタッフ不足、顧客の減少、高齢化による自身の健康問題なども相まって、2階をコミュニティースペースに改装。その結果、お客との昔話や地域の話題を楽しく会話する場所として重宝されているという。今後は、経営面だけでなく、社会に貢献できるような店舗を目指していく考えだ。

岐阜県では、頭皮にやさしいヘアカラーなど、特徴的なメニューを展開。地域では、「髪にやさしい美容室」として認知されるようになったという。また、日頃からスタッフのスキルアップにも努めている。

徳島県においては、従業員満足度を上げるため、賃金アップや休暇を多く取れるように職場環境を改善したところ、従業員個人レベルの売上が上がった。また別の企業では、インスタグラムやfacebookを活用し、お客の着付けの様子やカットスタイルの掲載などを継続して行っていることが、新規顧客の増加に繋がっているようだ。さらに、新しい薬品を使ったカラー施術を行うなどお客に飽きられないように工夫しているという。

宮崎県においては、ホットペッパーへの掲載当初は、経費が高く、収益への貢献はなかったが、徐々に効果が表れ顧客増加に繋がっている。また、若い人の来店が増え、活気が出てきたという。

4~6月期の見通しについては、業況判断DIはマイナス14.4と大幅に改善する模様。売上DIはマイナス17.5、採算DIはマイナス3.7、利用客数DIはマイナス36.5、別客単価DIはマイナス14.9とそれぞれ改善傾向にある。ただ、設備投資実施予定割合については8.7%と低下が続く見通しだ。

参考リンク
日本政策金融公庫

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