【連載】大手化粧品会社の研究㊻アクリア・ジャパンコスメティックスの会社研究 ~全国でも珍しいナマコ化粧品を開発・販売~(上)

2018.08.30

特集

編集部

会社の歴史(2011年法人設立)は浅く事業規模も小さいものの、ピリッと辛い味を持つ地方の化粧品企業として「株式会社アクリア・ジャパンコスメティックス」(北海道札幌市、社長大見由樹社長、未上場)の動向が注目される。

同社がクローズアップされているのは、化粧品の有効成分としてナマコから抽出したエキス(写真)配合の化粧品を開発し、事業化に乗り出していることによる。国内で、ナマコ仕立ての化粧品を事業化しているのは珍しいケース。
ナマコは、世界最古の書物「古事記」にも登場し中国では滋養強壮、皮膚病薬の漢方として用いられてきた。また、ナマコには、コラーゲンやセラミド、サボ二ン等が豊富に含まれる。
コラーゲンには、皮膚の表面に密着して保護膜を作り、表皮の乾燥を防ぐ作用がある。また、セラミドは、角質層の乾燥を防ぐ作用がある。サポニンは、抗炎症作用があり皮膚への刺激を抑える作用がある。

同社がナマコ化粧品開発のきっかけになったのは、大見社長の父親が我流のナマコ料理を持ってきて、「ナマコを顔に塗るとツルツルになる」との一言が興味と関心を持ったきっかけになった。
海産物特有の生臭さがある中で、我慢してナマコエキスを顔に塗ると肌は見違えるほどツルツルになってきた。また、ナマコにヒアルロン酸に似た成分が入っていることを知り、ナマコを主成分とした基礎化粧品の開発が芽生えた。

そこで、2011年に会社を設立しナマコエキスの高い保湿作用やスキンケア成分の浸透を促すブースター効果(体内で一度作られた免疫機能が再度抗原に接触することによってさらに、免疫機能が高まること)があることなどの実証を踏まえて、開発2年後の2013年にナマコ化粧品「アチュイピリカ」の商品化を実現した。

現在、ナマコ化粧品の事業に加えて中国上海で自宅を開放し、フラワーアレンジメントの教室を主宰。また、リアル店舗を南京西路の百貨店・久光に初出店し現在、上海市内に花店舗3店舗を展開するなどまさに孤軍奮闘の活躍。

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