【連載】大手化粧品会社の研究(51)聖マリアンナ医科大発ベンチャー、ナノエッグの会社研究 ~卸販売、店頭販売を強化、個人層の需要拡大を狙う~(中)
2018.09.26
編集部
ナノカプセル化技術はもともと医薬品のために作った技術。しかし、医薬品の開発・販売には、膨大な先行投資が発生する。そこで、ナノカプセル化技術やDDS技術などの研究成果を化粧品開発に活かそうと考え、化粧品・育毛剤の開発に力をいれた。
法人設立(2006年4月)後に開発した主な化粧品・育毛剤等は、自社初のスキンケア化粧品「マリアンナ」(2007年7月開発)を皮切りに、江崎グリコと共同開発の美白化粧品「マリアンナ」(2008年3月開発)、口元や年齢サインにアピローチする美容液「豊麗シリーズ」(2010年7月開発)、白髪用カラートリートメント「きららシリーズ」(2013年2月開発)、女性用の薬用育毛剤「ふわり」(2016年6月開発)、2018年6月にメディコルシリーズ(写真)として洗顔パウダー、保湿クリーム、補充水の3商品を開発し、いずれも公式オンラインショップ中心に販売した。
しかし、約2年前からオンラインショップに加えて現在、全国45店に上る取扱特約店に対して卸販売を始めている。
また、ここへきてメディコルシリーズの販売について新たな販売トライヤルとして2018年9月19日(水)~10月2日(火)の期間、全国11カ所(関東8店舗、中部1店舗、関西3店舗)のアットコスメストアにセットディスプレイで装飾したショップポップアップタワーをオープンし販売する。メディコルの店頭販売は、今回が初めてのケース。
同社は、これまでメディコルの販売は、公式オンラインショップで主に販売してきた。しかし「実物を試したい」という顧客の声に応えて「メディコル」を店頭販売することにしたもの。
店頭では「メディコル」のスキンリピッドⅠ・Ⅱの2種を試せるほか、トライアルセット(6日分)も60%オフの1590円で販売する。さらに、店頭に設置しているパネルのQRコードからアンケートに答えると肌の状態をチェックする「1日分のサンプル付きのメディコル敏感肌レベルチェックキットを無料プレゼント(後日郵送)する。
同社は、メディコルの店頭販売や卸販売を強化して個人層の需要拡大をより鮮明にしている。今後、卸販売や店頭販売など販売チャネルの拡大が注目される。