【連載】大手化粧品会社の研究(85)相生発酵の会社研究 ~発酵とバイオ技術で化粧品開発~(上)

2019.03.25

特集

編集部

株式会社相生発酵(愛知県西尾市)は、相生味噌(明治5年創業、みりんを中心に酒類調味料を製造販売)と愛知酒精工業(昭和16年設立、三河地域の焼酎供給会社として酒類の製造販売事業)相生酒造(昭和29年設立し清酒の製造販売事業)の3社が2004年10月に合併し相生ユニビオ株式会社の新社名で新発足して薬事事業をスタートさせた。

相生発酵の会社沿革は、1989年に相生発酵を設立して薬事事業を分離・独立。1989年に医薬部外品の承認許可を取得後、1994年に化粧品の製造承認を取得。2006年には、相生発酵が相生ユニビオへ製造部門を譲渡し化粧品・医薬部外品の企画・研究開発を担当。グループ会社の相生ユニビオが化粧品、医薬部外品の製造、品質管理、出荷等を担当するなど現在に至っている。

グループ企業「相生ユニビオ」に象徴されるようにみりんや酒精、日本酒づくりに長年携わるなどその中心には、常に「発酵技術」「バイオ技術」があった。この2つの基盤技術をヘルスケアやスキンケア分野の商品開発に生かした。
酵素の働きや「発酵現象」を応用する独自の技術を開発し、米発酵エキス(特許原料)などの天然の保湿成分とバイオコントロールシステムを融合させた薬用入浴剤を開発。また、スキンケアを天然素材から考えた各種化粧品や薬用化粧品、さらには、機能性原料の開発など様々なヘルスケア・スキンケア製品を商品化した。ここへきて「微生物」の力を引き出す基礎研究にも取り組み、特許技術も生み出している。

現在、相生発酵の事業内容は、スキンケア化粧品、入浴料、ヘアケア製品、機能性原料などのODM・OEM事業及び薬事承認申請事業を中心に事業を展開している。
同社の拠点は、愛知県半田市に総面積9991平方メートルの敷地に4階建て生産工場(秤量・調合・充填・仕上げ等)、3階建て研究棟、機能性原料生産棟、3階建て事務棟、物流センター等を配置し化粧品を一貫生産している。写真に開発、製造、物流拠点等の社屋を示す.

 

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