【連載】化粧品・美容各社の業績と企業買収⑫化粧品・美容各社の業績と企業買収 ~RVHの前3月期美容・エステ事業売上高498億円に~

2019.11.12

特集

編集部

株式会社RVH(東京都港区)は、1996年7月に株式会社リアルビジョンの社名で3次元グラフィックス向けLSI(大規模集積回路)の開発・販売などを目的として創業した。パソコン画面の医療用3次元グラフィックスの先駆けとして4年後の2000年12月に東証マザーズに上場し、2014年8月に東証2部に昇格した。2015年4月には、社名をリアルビジョンからRVHに変更するとともに、持株会社体制に移行した。

この持株会社体制に移行した前後に同社は、システム開発や関連メディア・コンサルティング、美容・エステ等の事業領域を狙いに次々と買収攻勢に打って出た。
2016年1月には、株式会社ジンコーポレーション(福島県郡山市)が手掛ける美容脱毛事業会社株式会社ミュゼプラチナム(東京都渋谷区)を株式交換で買収し、子会社化した。 2017年2月には、たかの友梨ビューティクリニックを運営する株式会社不ニビューティ(東京都渋谷区)を買収して子会社化し、傘下におさめた。

同社の業績は、直近の前3月期決算(2019年3月期)で売上高587億4000万円、営業利益9億4200万円の減益、最終損益が35億3900万円の赤字となった。
同社は、美容・エステ事業をレディサービス事業として美容脱毛部門とエステティック部門に区分して事業を推進。美容脱毛部門を子会社のミュゼプラチナムが担当、エステティック部門を子会社の不ニビューティが担当する布陣とした。
前3月期決算における美容脱毛部門については、ミュゼプラチナムブランドの効率的な店舗運営を図るため、通期にわたって出店強化に努め、合計11店舗の新規開店により2019年3月期期末の店舗数は180店舗(前期末170点)にのぼった。
施術売上高については、サロンでの契約カウンセリング業務が増加し通期で前期比89.4%となった。また、物販販売については、美容脱毛コースと合わせた自社ブランド化粧品の販売、定期購買プランの新設等により通期で前期比174.8%と大幅に伸長した。この結果、同期におけるミュゼプラチナムの売上高は、393億5700万円となった。

一方、エステティック部門の不二ビューティたかの友梨ビューティクリニックブランドについて店舗収益確保のため、店舗の統廃合を進め、同期末店舗数は82店舗(前期末91店舗)となった。また、物販販売は、前期比100.9%と堅調に推移。さらに、施術売上高は、技術力、施術効率向上の研修を強化したことにより前期比87.8%となった。これらの施策によって同期におけるエステティック部門の売上高は、104億5000万円となった。この結果、ミュゼプラチナム部門とエステティック部門合わせたレディサービス事業の売上高は、498億円にのぼる。

今期(2020年3月期)は、美容脱毛部門についてコロリーブランドのミュゼプラチナムブランドへの統一化により施術売上高の向上を図るとともに、広告宣伝費のコスト削減に取り組む。また、エステティック部門については、原価抑制等により損益分岐点の引き下げに取り組む。これらにより今期の売上高は、575億円と前期比減収となる見込み。

表に、RVHが買収して子会社化し現在、レディサービス事業の美容脱毛部門・担当ミュゼプラチナムとエステティック部門・担当不二ビューティ(たかの友梨ビューティクリニック)2社の事業概要等を示す。

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