【連載】この中小化粧品会社に注目㉕ディネット(上)~3年間で累計4憶6千万円の資金を調達~

2020.11.16

特集

編集部

美容動画メディアのベンチャー「DINETTE株式会社(ディネット)」(東京都渋谷区、社長 尾崎美紀氏)は、2019年と2020年の2年間にベンチャーキャピタルなどから投資や出資、第三者割当増資などで資金を調達した資金調達額が4憶6000万円にのぼった。
同社の事業について投資家が先行き一段と成長軌道に乗ると判断して活発な投資をおこなったもの。起業(2017年3月法人設立)してわずか4年弱のベンチャー企業が短期間に5憶円近い多額の資金調達を実現したのは、美容業界では珍しいケース。

同社がこの3年間に行った資金調達(表参照)は、2018年2月にベンチャーキャピタルの株式会社アプリコット・ベンチャーズ(東京都渋谷区)、個人投資家などを引受先として3000万円の第3者割当増資を実施。
2019年7月に株式会社セレス(東京都世田谷区)、株式会社ポーラ・オルビスホールディングス(東京都中央区)、STRIVE株式会社(東京都港区)、株式会社アプリコット・ベンチャーズなどを引受先として1憶3000万円の第3者割当増資を実施。
2020年5月には、株式会社セレス、株式会社ポーラ・オルビスホールディングス、D2C&Co株式会社(東京都中野区)、株式会社MTG Ventures(愛知県名古屋市)、株式会社サティス製薬(埼玉県吉川市)の計5社を引受先として約3憶円の第3者割当増資を実施するなど、2年間の累計調達額が4憶6000万円に上った。D2C&Coは、丸井グループの子会社で、第一号の投資案件となった。同社に対してこのようなベンチャーキャピタルや大手化粧品メーカーなどが投資を行ったのは、同社が運営しているビューティー特化動画メディア「ディネット」の再生回数が大幅に更新し認知度を高めていること。また、自社ブランドの新規化粧品を開発・販売するなど起業間もないベンチャーとして収益を上げるなど実績を上げていることが主因。

一般的に第三者割当増資は、企業が資本金を増やしたい時に行う資本政策の手法。増資によって資金を調達することで「新規事業を始める」「海外進出を行う」「新工場を建設し設備投資を行う」など事業を成長・発展させるための経営活動が可能になる。

第三者割当増資に伴い、株式を引き受けたベンチャーキャピタルなどが同社の経営に参加し、収益評価や事業活動に意見を具申する一方、業務提携を行うなど連携を強固にする動きを強めている。

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