【連載】この中小化粧品会社に注目㊷プログレスアイランド(下) ~ネイルと手のケアが同時にできるエステ機器開発~

2021.03.2

特集

編集部

プログレスアイランド代表の前島みどり氏が開発して特許を取得したハンド専用のエステ機器「ルビッシュ」の技術的特性は、ジェルネイル硬化用のⅬEDライトとコラーゲン生成やターンオーバーに効果がある赤色ⅬEDライトを一つの機器で照射できるようにしたこと。この照射機能によりジェルネイルをしながら同時に手の甲のケアができることに繋げた。
同社では「ジェルを硬化させる赤色ⅬEⅮは、表皮の奥の肌細胞に届き活性化させる働きがあり、内側から皮膚の弾力等を取り戻すことができる。また、照射はジェルネイルをしながら同時に行えるため、時間的なロスがない」と説く。

同社は、「ルビッシュ」を開発・販売するにあたり安全性をはじめ、赤色LEDが爪に対して良い結果が得られるか、などについて大学と企業を結ぶ事業を専門に紹介・斡旋する社団法人「産業連携推進協会」の仲介を得て大阪医科大学の赤色LED 専門の皮膚科の先生を紹介してもらい検証を依頼した。検証は主にルビッシュの皮膚科学的検証を主体におこなった。

しかし、被験者の治験などの検証に当たっては、大学の倫理審査会に諮り安全性、有効性を評価・分析するなど想像しなかった壁にぶつかるなど厳しさを味わった。
同社では、こうした大学での検証データを活用する方法として①赤色LEDが肌や爪に良いということを知らせるため、それを認知してもらうための資料として活用②赤色LED関連の医学論文を発表し論文を掲載している大学の先生に依頼できた事で、競合他社との差別化が図れ、パンフレットやチラシに掲載して機器に対する信頼度、認知度を高めた。

現在、「ルビッシュ」は、代理店を通じて全国のエステサロン、ネイルサロンなどに販売するとともに、加盟店を募集して拡販を図る構え。
だが、総じてハンドキュアサロンの店舗計画やルビッシュの拡販策など具体的な収益目標や施策、戦略が見えない。
まず、人材の充当による組織体制の確立を図りこれまでの個人商店から脱却したイノベーション経営に踏み出すことが寛容だ。

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