【連載】この中小化粧品会社に注目㊸ヌ-スフイット(上)~FMCB理論でプロ向けパーマ剤開発~

2021.03.8

特集

編集部

株式会社ヌ―スフイット(東京都豊島区)は、社員約18名と小企業でありながら、創業(1959年9月、法人化2000年4月)以来、利益の多くを毛髪科学の基礎研究に投じるなど研究開発型企業としてその存在感を高めている。
中でも、研究開発の基本は、同社代表の亀ケ森統氏が考案した新しいパーマ理論「FMCB理論」をベースにしながら製品化するまでプロの美容師に意見を聞きそれを踏まえて商品化に繋げている。

亀ケ森代表が考案したFMCB理論とは、フィブリル(F:ずらし、疎水性)・マトリックス(M:ふくらまし、親水性)・ストレートパーマに使う膨潤コントロール(C:コントロール)・髪表面に効果を与え、つやと手触りを上げる効果があるブリッジ(B:架橋)の4つの要素で髪を成形(パーマ)する考え。

特にパーマ剤(写真)の開発は、フィブリルとマトリックスに負うところが大きい。フィブリルとマトリックスは、髪の毛のキューティクル領域の内部ある「コルテックス」という領域にある。
同社が開発したパーマ剤は、フィブリルにもマトリックにも効果があり、両方のシスチン結合(毛髪内部の結合)をバランスよく切ることができる。また、このパーマ剤は、1液、2液、処理剤の3つを使う。

同理論に基づきパーマ&カールシステムをはじめ、毛髪に不要な膨潤をおこさずダメージを蓄積させないサルファイト系カール剤や温熱ロッドを利用し髪の毛の傷を抑えるパーマ液、色の染まるヘアートリートメントト(カラーバター)等の毛髪剤を開発した。
商品化した毛髪剤の中で色が染まるトリートメントカラーは、染料にヘアマニキュア(マイナスの電荷)とは異なる塩基性染料(プラスの電荷)を使用している。毛髪のダメージ部をケアしながらオシャレな色味を入れることができる。
サロンでは、カット後のオプションメニューとしてまた、パーマやストレートとの併用メニューとして活用されている。

ここへきて同社は、毛髪剤の開発に加えて肌研究に力を入れた結果、一般向けスキンケア化粧品として「ジェンヌコスメシリーズ」を試作開発した。近く実用化して本格的に市場投入する計画。

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