【連載】この中小化粧品会社に注目(56)大木化粧品(上)~自社ブランドコスメを持たず卸販売に特化~
2021.05.6
編集部
大木化粧品株式会社(大分県大分市)は、大木ヘルスケアホールディングス株式会社(東京都文京区、ジャスダック上場、連結)のグループ会社。化粧品、健康食品等の卸、小売り事業を主体に事業展開している。
大木ヘルスケアホールディングスは、医薬品、化粧品等多種多様な商品を仕入れて消費者、小売り等に供給【卸販売】する株式会社大木(東京都文京区)を中核企業に12の系列企業を傘下に持つ持ち株会社。
グループ企業の一角を占める大木化粧品の沿革は、1961年に大分化粧品として法人設立。2004年にネットショッピングサイト「コスメボックス」を開設、2008年に現社名に変更した。2011年にネット通販部門を分離してネット通販会社「コスメボックス」を設立した。
現在、九州地域を地盤とした地場産品の化粧品や日用品雑貨等の仕入れ・卸販売、ネット通販等を主体に事業展開。メーカー機能ではないため、自社ブランドのコスメはない。
同社が事業展開する中でトピックス的な動きとして挙げられるのは、2006年6月に株式会社大木と業務提携したこと。
大木化粧品と大木の両社が業務提携したのは、化粧品および日用品雑貨等の卸売業務の事業分野においてそれぞれの取扱商品の流通を再編・効率化することで安定供給につなげる狙い。
この業務提携に続き、2007年1 月に大木は、大分化粧品の行う第三者割当増資を引き受け資本参加した。
資本提携の内容は、大木が第三者割当増資 2万7000 株の全額(増資後発行済み株式の 49.09%)を引受けた。引受単価は 1 株当たり 1000 円。資本提携の目的は、新たな事業展開を図り全国の取引先のニーズを満たすサービスを提供するため。
しかし、同社は、事業の特性から卸販売やネット販売が中心。しかも、独自に開発したスキンケアブランド商品はない。化粧品を主力に卸売業を展開しており、またインターネットショッピングサイト「コスメボックス」を通じてインターネット通売も行っている。
化粧品の仕入れ・販売においてネット通販がどの程度、販売面での効果を発揮しているのか、関心の的といえる。