【連載】この中小化粧品会社に注目(56)大木化粧品(下)~経営革新認定、ネット販売強化~

2021.05.7

特集

編集部

化粧品と雑貨の卸業を主体とする大木化粧品の事業展開を見る上で、政府(経済産業省中小企業庁)の中小企業成長促進法に基づく「経営革新計画」(3年~8年のビジネスプラン)」の承認(2006年)を受けたことが注目される。

同計画は、
①新商品の開発や生産
②新サービスの開発や提供
③商品の新たな生産方式または販売方式の導入
④サービスの新たな提供の方式の導入
その他の新たな事業活動などを行ったことで給与支給総額や付加価値額が前年比3%伸長したことを実証することが必要。

同計画が承認を受けた企業には、・経営革新計画に基づく販路開拓に係る経費の一部助成、分県制度資金「チャレンジ中小企業応援資金(経営革新融資)」による低利融資制度、日本政策金融公庫による融資制度、特許関係料金減免制度による審査請求及び特許料の軽減などの支援が受けられる。

同社が計画の認定を受けたのはネット通販専門会社設立によるネット販売の強化等による新規事業が評価された。
同社がネットショッピングサイト「コスメボックス」を立ち上げたのは2004年頃で、中国人の観光需要などを取り込むことを狙ってサイトを開設した。しかし、ネット通販による需要の拡大を図るため、2011年にネット通販部門を分離して専門会社のコスメボックスを設立(子会社)して運営するなど体制を整えた。

ここへきてコスメボックスは、化粧品や日用雑貨、家電などに加えて大分県の美味しい水や炭酸水、温泉水などのネット通販も手掛けるなど地元振興に一役買っている。
飲める温泉水と銘打ってネット販売を始めた「別府 桜温泉水」(商品名)は、ミネラルが豊富で無味無臭。硫黄や水銀などは、入っていない。同社のネット通販による地元産品の販売に期待が高まっている。

同社を含むグループ会社の強みは、従来の卸売業の枠を超えて、メーカーのプランニング機能から小売業のマーチャンダイザー機能までワンストップで行えることにある。
グループトップは「これからは、届けるだけの卸売業ではなく商品企画から開発、店頭展開まで行う中間流通業の時代である」と説く。
グループトップの経営方針に沿って1桁代の売り上げと見込まれている大木化粧品は、先行きの業績拡大、事業戦略をどのように計画しているのか、注目される。

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