【連載】台頭する創薬・再生医療ベンチャー【4】 ユーグレナ、ミドリムシ入りヨーグルト販売、ハイテク研子会社化
2013.10.17
編集部
ミドリムシ(学名:ユーグレナ)を中心とした微細藻類に関する研究開発及び生産・品質管理、販売等を展開しているバイオベンチャーのユーグレナ(東証マザース上場)は、微細藻「ミドリムシ入りのヨーグルト」を商品化し、10月から協同乳業が製造・販売元になってコンビニなどで販売を始めた。また、大学発(奈良先端科学技術大学院大学)バイオベンチャーの株式会社植物ハイテク研究所の株式を取得し子会社化した。
「ユ―グレナ&ヨーグルト」(商品名=画像右)は、ヨーグルトにミドリムシから抽出したエキスとアロエをブレンドしたマスカット味。ミドリムシの販売増加を狙って商品化した。協同乳業が製造・販売元になって10月15日からアピタ、サークルK、サンクス、ファミリーマートなどのコンビニで全国販売した。税込価格128円。
同社は、これまでミドリムシに含まれる栄養素(59種類)を生かしてサプリメント「ユーグレナピュア」と栄養補助食品「ミドリムシクッキースリム」を販売してきた。今回新たにヨーグルトに商品化を図ったことで、健康食材としてのミドリムシのイメージ向上や販売増加に繋がるのは必至。
一方、今年9月に植物の生産性向上や葉緑体形質転換などの技術開発を行う植物ハイテック研究所の株式を取得し、子会社とした。同社では、子会社化によってミドリムシの形質転換による光合成の能力向上、油脂生産性の向上、ユーグレナの新たな有用物質生産手法の確立などに取り組む。
同社は現在、ミドリムシの応用開発による事業領域の拡大を目指してJX日鉱日石エネルギーや日立プラントテクノロジーと共同でミドリムシから抽出したジェット燃料の共同開発や住友共同電力と火力発電所の排ガスを用いたユーグレナの培養実験を進めるなど将来を見据えたイノベーション事業に取り組む意欲が強い。
今期(2013年9月期)の業績は、売上高22億9千万円、営業利益3億5千万円、最終利益2億5千万円を見込む。
※「連載 台頭する創薬・再生医療ベンチャー」は毎週木曜日掲載です。