(80)ノベラ/上 ~AI肌診断技術に化粧・美容各社が熱視線~

2021.09.14

特集

編集部

現在、化粧品各社がこぞって化粧品販売の切り札として期待しているのがスマートフォンで人工知能(AI)が肌を診断し肌に合った化粧品を提供するAI肌診断サービス。このAI肌診断技術を保有し特許を取得したのがベンチャー企業の「ノベラ(東京都渋谷区、2017年1月設立)。ここへきて化粧品会社などが同社に出資や協働で事業に取り組むなどの動きがみられる。

ノベラは、肌分析の人工知能を搭載して閲覧履歴や購買履歴を解析し、ユーザーの好みに合いそうな商品やサービスを提案するスマートフォン向けアプリ「ビューティ」を開発し運営。同時に、法人向けサービスとして化粧品メーカーや小売店向けに肌分析アプリ「ビューティスキンチェッカー」の提供を行っている。

同社が開発した AI肌診断アプリは、多くの顧客の肌と向き合ってきた化粧品販売員などが肌を見たときにどう感じるかを学習させた人工知能(AI)により、肌の状態(シワ、キメ、シミ、透明感、うるおい、毛穴、肌質)を7項目で診断・評価する。
特徴は、診断データを元に、使用中の化粧品データや肌の状態に関する蓄積データを掛け合わせ最適な化粧品を紹介するのがミソ(化粧品レコメント方法として特許取得済)。図に化粧品レコメントを示す。

化粧品レコメント

この特許取得に続いて同社は、2021年3月にAI 肌診断の特許申請を行った。特許出願は、AI肌診断モデルの精度が思うように向上せず、また、極端な偏りの発生といった課題に対して新しい学習方法を確立した。
具体的には、 肌データの学習において一般的な構造可変やパラメータの調整で対応したが、それだけでは解決できなかったため、肌データに特化する形での学習方法を構築した。
その結果、肌診断精度の向上と極端な偏りの抑制に成功したことから特許出願を行ったもの。特許申請にあたって発明の名称は「プログラム、情報処理装置及び方法」としている。

同社は、2019年10月に「スマートミラーによる対話型インタラクション」(双方向でシステムや機器が対応すること)で特許を取得するなど特許に裏付けられた高度なAI技術は、化粧品各社から羨望の眼で見られている。

AI搭載の肌診断に関わる特許の使用権供与(通常実施権)については、現段階で使用権許諾契約の締結は見られない。今後、化粧品会社等への技術供与や知的財産権としての戦略が注目されるところだ。

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