「我が社の生薬配合化粧品ビジネス」【2】バスクリン、生薬配合育毛剤の通販、卸販売強化(上)
2015.05.11
編集部
アース製薬の子会社バスクリンは、育毛剤事業で大攻勢をかけている。2010年9月に前身のツムラライフサイエンスから現社名に変更。2012年にアース製薬の子会社となった。現在、入浴剤事業と育毛剤事業の2事業を中心に事業展開。育毛剤事業を入浴剤事業に双肩する成長軌道に乗せる。
同社が現在、手掛ける育毛剤事業は、通販チャネルの一般消費者向けと代理店を経由した卸販売の業務用向けの2チャネルを主体に展開。
一般消費者向け育毛剤として「髪姫」(写真=女性用・医薬部外品、2010年9月販売)と「髪殿」(男性用・医薬部外品、2014年10月販売)の2商品を通販チャネルに投入。また、業務用育毛剤として男性用の「インセント」(2003年販売)と女性用の「モルティ」(2004年販売)、それに高級育毛剤の「モウガシリーズ」(2004年販売)の3ブランド合わせて14品目をドラッグストアや総合ホームセンター、スーパーなどに卸販売している。
現在、市場に投入している育毛剤の大部分は、前身のツムラライフサイエンス時代に開発したものが主体。特に、開発した多くの育毛剤は、いずれも生薬有効成分のショウキョウチンキ、センブリエキス、ニンジンエキスやホコウエイ根エキス(植物性保湿成)などを配合して育毛・発毛促進を高めるなど生薬の活力、生薬の組合せなどを生かして開発・商品化した点に最大の特徴が見られる。
通販限定の女性用薬用育毛剤「髪姫」と男性用薬用育毛剤「髪殿」に加えてモウガシリーズの最新タイプ「モウガ漲(ミナギ)」(男性用・医薬部外品)にもホコウエイ根(モウコタンポポの根)などの生薬を配合した。
ホコウエイ根エキスは、従来から漢方薬として用いられ「母乳の出」を良くする生薬として使われていたがホコウエイ根エキスに発毛・育毛作用があることを見出し、育毛剤の有効成分として配合した。
こうした生薬の力を生かして開発した育毛剤事業の社内態勢は、生薬の応用研究や基盤技術の開発をつくば研究所育毛剤グループ中心に推進。生産は、アウトソーシングしている。また、通販チャネルでの販売は、ダイレクトマーケティング部が担当。業務向け販売は、東京、大阪、名古屋の支店と傘下の営業拠点が行う布陣となっている。
ここへきて全国の業務用営業部隊(卸販売)は「育毛剤を入浴剤に次ぐ主力商品に育てることを至上命題」としてドラッグストアや総合ホームセンター、スーパーなどをターゲットに一段と販売攻勢をかけている。しかし、高級品、低級品ともガリバー企業が牙城となって立ちふさがるなど市場でのシェア向上は容易でない。