【連載】化粧品各社のイノベーション研究【6】グラフィコ①~化粧・美容雑貨等のメーカーへ変貌、12/25にマザーズ上場~

2015.12.16

特集

編集部

㈱グラフィコ長谷川純代社長

化粧品、美容雑貨などを製造・販売するグラフィコ株式会社(東京都品川区、社長長谷川純代氏=写真)は、12月25日に東証マザーズへ上場する予定となっていたが、12月16日に上場を延期すると発表した。同社は、上場延期について「今期(2016年6月期)業績の進捗を慎重に確認する必要があるため」とコメントした。

同社は、化粧品広告のクリエイティブスタジオデザイン事務所として1996年11月に創業。以来、大手化粧品会社や女性ーケットのクリエイティブ・マーケティング・商品企画までを行う外部シンクタンクとして活動してきた。
そうした中、2008年11月に自社開発商品の下着に貼るカイロ「優月美人 ヨモギ温座パッド」(旧礼知美人)のボディケア商品販売を契機に業態を大きく変化し、化粧品、美容雑貨、健康食品等のメーカーへと変貌を図り、現在に至っている。

現在、同社の事業は大きく分けて美容(ビューティー)とヘルスケア(健康)に区分される。しかし、事業の実態は「ヘルスケア」「ボディケア」「スキンケア」「デイリーケア」の4つの商品カテゴリーに区分されている。
売れる商品作りに携わっているのが
・商品の企画・開発を行う「企画部門」
・商品の品質管理・信頼性保証を行う「開発部門」
・POPデザインやセールスプロモーション、消費者キャンペーンなどを行う「プロモーション部門」
・全国のドラッグストア、バラエティショップ、コンビニエンスストア等のバイヤーへの提案営業・商談、卸店への提案営業活動など企業間取引を行う「BtoB部門」(営業部門)
・カスタマーセンターでの顧客販売・サービスを行う「直販部門」
この5事業部門が一体となって、”心で創りあげた商品”をコンセプトに事業を推進する形態を採っている。

同社の商品開発を行う上で特徴的なのが、自社開発商品のみならず国内外の企業等が保有する休眠特許(事業に活用されていない特許)やポテンシャルのある商材などにも注目して商品化を進めている点である。
ヘルスケア商品の「満腹30倍」は、製薬会社の休眠特許を活用して商品化を図り2005年7月に市場投入したもので、販売以来の大ヒット商品になっている。

4つの商品カテゴリーの中で、市場投入(販売)から2015年11月現在までに累計販売数が100万個を突破した商品は、「満腹30倍」をはじめ、ヨモギ織り込んだシートを通して下着に貼って体を温めるカイロタイプの「優月美人 ヨモギ温座パット」(販売2006年11月)や「フットメジ 足用角質クリアハーブ石鹸」(同2010年5月)や「なかったことに」(同2009年5月)があり、これら4商品はロングセラー商品として収益に貢献している。

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