【連載】化粧品各社のイノベーション研究【8】シーボン③ ~ブランド力、人材育成、製品開発を強化~

2016.01.15

特集

編集部

株式会社シーボンは、今期(2016年3月期)イベントプロモーションを中心とした集客活動や既存顧客に対するポイントサービスの拡充による会員サービス、及びタブレット端末利用による接客の質向上などに取り組んでいる。この結果、今期業績(非連結)は、売上高146億2100万円(前年同期比4.9%増)、営業利益7億2800万円(同34.9%増)、利益4億3300万円(同43.3%増)と、前期の減収減益から一転して増収増益を見込んでいる(表に業績の推移を示す)。

今期は、2018年3月期までの3ヵ年中期経営計画の最初の年度でもある。同社は、3ヵ年中期経営計画の経営指針として「カスタマーバリュー」を掲げる。
同社は、顧客の価値創出を図るため、①ブランド力の強化 ②人材育成の強化 ③製品開発の強化などイノベーションに取り組む。

ブランド力の強化は、集客力のある商圏への出店を継続するとともに、オープンレイアウトで視認性が高く、ワンストップで美容サービスを提供する新店舗を展開する。
これにより製品やサービスの訴求力を高め、合わせてポイントサービスの拡充による顧客基盤の強化に繋げる。

人材育成の強化策は、製品やサービスと並んで成長の源泉を人材と位置づけて、パート社員の正社員化や復職支援を強化。女性が輝ける企業のリーディングカンパニーを目指す。

現在の製品開発体制は、有効成分の探索研究及び処方開発を担当する生産部門の研究課と社長直轄の開発課が連携して研究開発活動を行っている。
主な研究開発活動は、外部機関と連携を図り有効性を高めた美白シリーズの開発などがある。
敏感肌に対応した製品の開発プロジェクトでは、皮膚科専門医も加わり、専門家の知見を取り入れた研究開発を進めている。また、外部研修による分析技術者の育成、分析機器の導入による有効性評価技術の確立など、製品の有効性評価にも注力している。
研究開発費の総額は、2014年3月期1億6300万円、2015年3月期2億円となっており、総売上高に占める研究開発費の比率は2015年3月期で1.4%となっている。

同社は中期3ヵ年計画で、製品開発力の強化として販売チャネルに合わせて化粧品、健康食品などを開発し、合わせて市場のニーズに対応した開発体制を確立する。
そのため、豊富な肌データの活用を図りながら大学との共同研究を促進し、独自製品のラインアップを図る方針。

無題

 

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