【連載】化粧品各社のイノベーション研究【10】アイケイ① ~メーカーベンダー事業の売上に占める生協の売上比率50%に減少~
2016.01.25
編集部
株式会社アイケイ(ジャスダック上場・愛知県名古屋市)は、連結子会社3社(株式会社フードコスメ、アルファコム株式会社、株式会社プライムダイレクト)及び持分法を適用していない非連結子会社3社、並びに関連会社1社でグループを形成。
事業内容は、化粧品、雑貨類・食品類を販売するメーカーベンダー(売り手)事業(旧通販事業、図にメーカーベンダー業態を示す)や食べられる化粧品をコンセプトとしたスキンフード事業、コンタクトセンターの構築と支援等を提供するITソリューション事業(旧CRMソリュウション事業)の3事業を主体に行っている。
同社の前期(2015年5月期)総売上高に占めるメーカーベンダー事業の売上比率は、90.2%と生協マーケットなどでの売上比率が際立って高いのが特徴。メーカーベンダー事業は、カタログを媒体とした通信販売の代行業で、主なクライアントである生活協同組合と組合員などに対して化粧品を含む雑貨類、食品類をカタログで通信販売している。
また、ダイレクト通信販売強化策として、2014年9月に企業買収して傘下に収めた子会社プライムダイレクトによる雑貨類・食品類等のTVショッピング販売にも力を入れている。
現在、取引している生協数は、日本生活協同組合連合会や東海コープ事業連合など10の事業連合と19の単一生協。これらの生協に対して商品開発、カタログ作成、商品受注、商品発送、代金回収、問い合わせの対応といった通販業務の全てのノウハウを提供するなど、大きな信頼関係を構築している。
しかし、現在の生協主体によるメーカーベンダー事業は、生協自体の無店舗販売事業への取り組みや組合員の増減などによって年々、生協の売上比率は減っており「メーカーベンダー事業の売上げの内、生協の売上比率は現在、約50%程度にまで落ち込んでいる」状態。
このため、メーカーベンダー事業においては、売上に占める自社開発商品(PB)の比率を高めるために、売上高寄与率を管理指標に設定。引き続き、顧客のニーズにあったオンリーワンとなる自社開発商品(PB商品)の開発に注力するとともに、開発商品のヒット率を高めることを目標としている。また、ロジスティクス機能を強化することにより商品回転率を高め、粗利益率の改善と適正在庫の維持を目指す。