【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【9】ナ―ルスコーポレーション③ ~ナ―ルスゲン配合の化粧品、百貨店等で販売へ~

2016.08.12

特集

編集部

ナ―ルスコーポレーションは、エイジングケア化粧品成分として化粧水、美容液、保湿クリーム、ハンドクリームなど様々な製品に使える汎用性の高い化粧原料「ナールスゲン」を2012年4月に販売。また、ナ―ルスゲン配合の化粧品を商品化して、2013年5月から販売を始めた。

ナールスピュア、ナールスミントナールスゲンを配合し商品化した化粧品は、「ナールスミントプラス」と「ナールスピュア」の2化粧品(写真)。

ナールスミントプラスは、ナールスゲンとハッカ油、エタノール、精製水を配合した化粧水。ナールスピュアは、ナールスゲンとビタミンC誘導体とビタミンE誘導体などを配合した化粧水。

現在、同社は、ナールスミントプラスの販売をBig Sheepとリフレコーポレーションに委託して販売。また、ナールスピュアを委託生産しているディープインパクトは、医学図書の出版や医学品の臨床研究の支援を行う会社。ナールスピュアの販売を機会に「ナールス事業部」を立ち上げて、ナールスゲン化粧品の企画開発も手掛けている。

ここへきてオンラインショップに加えて、販売チャネルが百貨店にまで広がってきた。現在、京王百貨店 新宿店や大丸 東京店、プランタン銀座など全国10の百貨店でも販売が始まるなど広がりを見せている。

同社では、今後の事業展開としてコスト面および製剤面での改良を図り、世界市場にも深く浸透させていく計画。 さらに、薬用化粧品として展開するために、医薬部外品の許認可取得を目指す。

株式会社トーア紡とすでに、化粧品にとどまらない健康と快適さを創りだす研究に共同で取り組んでいる。同社では、口腔粘膜疾患の予防または治療用経口製剤の提供に関する特許を出願しており、今後、医療領域の分野も拡大する方針。
ともあれ、会社を設立して約4年で化粧品事業の成果が出てきた。松本社長は、旧田辺製薬の技術者で現在80歳近い高齢者。

だが、化粧品、医薬品業界との連携を図って新たにナ―ルスゲンの応用展開に賭ける意気込みは、年齢を問わずベンチャーの気概を感じさせる。今後、どのように事業規模を拡大してさらに、成長軌道に乗せて行くか、その手腕に期待がかかる。

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