【連載】美容漢方~漢方の新たな市場を創出~【8】誠心堂、陰陽理論に基づく美肌周期療法によるスキンケアを展開(上)
2017.01.31
編集部
株式会社誠心堂薬局(千葉県市川市)では、中医学の陰陽理論を応用した、独自の美肌周期療法を展開している。女性の生理周期と連動した、陰陽の変化に合せたスキンケアを提案している。
女性の月経周期は一般的に28日間で、この28日間は月経期、卵胞期、黄体期に大きく分類される。さらに月経期から排卵までは低温期、黄体期は高温期に属する。「肌のターンオーバーも大体28日間で生理周期と重なり、低温期と高温期で肌の状態は変わってくる」(代表取締役・西野裕一氏)。
中医学では、月経期から排卵までの約14日間が陰期、排卵後以降の黄体期が陽期と位置づけられ、月経期には陰陽不足、卵胞期は陰長陽少、黄体期の前期(14日目~21日目)は陰陽調和、黄体期の後期(21日目~28日目)は陰少陽長と陰陽が変化していくと考えている。一方、この過程を西洋医学的に見ると、陰期には女性ホルモンのエストロゲンの分泌が、陽期にはプロゲステロンの分泌がそれぞれ盛んになる。
女性ホルモンが美容に影響してくることは比較的知られているところだが、身体の中の陰陽の周期に合わせた美容というのはあまり知られていない。実際、陰も陽も不足しがちな月経期においては、肌は乾燥気味で敏感になりやすい。陰が充実する卵胞期では、肌は栄養分に富んでおり最も安定している。陽が増え始める黄体前期では、皮脂分泌が増える時期で肌はつやつやしてくる。そして、陽が高まった黄体後期ではベタベタした肌になりやすく、にきびやしみなどのトラブルが起こりやすい。
そこで誠心堂薬局では、この陰陽変化によって肌の状態が異なることに着目し、それぞれの周期に合せたスキンケアを提唱。具体的には「爽肌精」(そうきせい)というブランドで、クリーム、ローション、クリームクレンジング、モイスト洗顔フォーム、オリエンタルエッセンスを展開している。
例えば、低温期に相当する陰期においては、陰の不足によりしわやたるみが見られるため、水分や栄養分を補う。つまり中医学的には“補陰”すると良い。これにより、みずみずしい肌を実現するとともに紫外線にも強くなり、しみやくすみの予防につながる。具体的には、当帰、麦門冬、甘草、薏苡仁、地黄などが配合された「陰クリーム/ローション」などを使う。
一方、高温期に相当する陽期では、プロゲステロンが過剰になって毛穴を詰まらせたりするので、脂性肌、にきび、しみ、吹き出物などが現れやすい。そこで、苦参、金銀花、馬歯莧、黄芩、黄連など“清熱”できる生薬を配合した「陽クリーム/ローション」などを使用することで、余分な皮脂をコントロールして毛穴を引き締める。
「女性の肌は生理周期で肌の状態が違うことを理解してほしい。その周期に合わせたスキンケアを行うことが美肌に最も効果的」(西野氏)としており、体表と体内はつながっているという中医学独自の考え方を美容に取り入れてほしいと強調する。※(下)に続く
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