【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業③総医研HD、中国でプラセンタ原液販売、化粧品輸出許可も申請中

2017.06.5

特集

編集部

株式会社総医研ホールディングス(HD)(大阪府豊中市、東証マザーズ上場)は、1994年7月にバイオマーカーの開発及びバイオマーカーを用いた生体評価システムの確立等を目的に設立した大阪大学発バイオベンチャー。健康補助食品等のマーケティングリサーチを行う株式会社エビデンスラボ(東京都千代田区)やバイオマーカー技術に基づく食品等の臨床試験受託などを行う株式会社総合医科学研究所(大阪府豊中市)など5社でグループを形成する。

この中で、プラセンタを主力成分とする機能性を重視した化粧品の開発および販売を行っているのが、2006年7月に買収した子会社「株式会社ビービーラボラトリーズ」(東京都渋谷区、BBラボ)である。

プラセンタとは、英語で胎盤を意味する。プラセンタには、胎児が胎盤から栄養等を吸収して成長するように様々な栄養素や細胞の成長をコントロールする成長因子が含まれている。
同社は、プラセンタの持つ無限の可能性に着目してプラセンタエキスの機能性やプラセンタの持つ有効成分を壊さずに取り出す国内初の「水溶性プラセンタエキス原液」(写真)を開発し、いち早く市場に投入した。

プラセンタエキスの機能性は、プラセンタの持つ有効成分をいかに壊さずに取り出して製品化できるかが鍵になる。同社は、有効成分を壊さずに取り出すための独自の方法を開発してプラセンタエキスを抽出し、それをそのままボトリングして「水溶性プラセンタエキス原液」として販売することに繋げた。

同社は、全ての肌の手入れの土台となるものとして、プラセンタエキスをそのままボトリングした「水溶性プラセンタエキス原液」を洗顔後の肌に使う原液美容を提唱。同時に「水溶性プラセンタエキス原液」の後に使う化粧品として肌の状態や手入れの目的に応じて3つのスキンケアラインを提供している。

「肌元気ライン」は、肌の調子を整え、疲れた肌に活力を与えて透明感のある健やかな肌へと導く。肌の潤いや弾力のための「うるおい・ふっくらライン」は、肌の乾燥を抑えてふっくら潤い肌を実現する。シミをケアする「薬用美白ライン」は、日焼けによるシミ・そばかすの悩みを解消し、メラニンの生成を抑えてシミのできにくい肌をもたらす作用がある。

現在、スキンケアラインの販売は、通信販売および百貨店等への卸売りが中心。また、海外販売はまだ少額であり、今後の上積みの余地が大きいと考えられることから、経済発展の著しい中国をはじめとするアジア市場での展開に注力する。 特に「水溶性プラセンタエキス原液」を中国で拡販するため、「中国国家食品薬品監督管理局」(SFDA)に対して化粧品の輸入許可申請を行っていたが2013年2月に許可が下り、現在、代理店を通じて中国国内で販売を始めている。

この原液販売に続いて、ビュ―ティプラス社と共同開発した化粧品「グローバルレーベル」17品目について、昨年9月以降から順次「中国国家食品薬品監督管理局」に対して輸出許可申請を行っている。
同社は「許可取得後、ビューティープラス社の中国における販売網に乗せて拡販を図る方針」という。

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