【連載】大手化粧品会社の研究⑩ハーバー研究所の会社研究 ~無添加主義を標榜 今3月期増収増益を見込む~(上)

2018.03.8

特集

編集部

株式会社ハーバー研究所(東京都千代田区)は、1983年に創業して以来、美と健康を実現するため、防腐剤、石油系界面活性剤、鉱物油等を一切使用しない「無添加主義」を貫いてきた。その無添加主義の要諦を成しているのが、美容オイル「スクワラン」や笹の一種「チシマザサ」等の原料を化粧品に配合した自然派化粧品の事業展開。

美容オイル「スクワラン」の原料である高純度スクワランは、深海ザメの肝油から抽出しそれを飽和安定化させて化粧品の原料として広範囲に使用している。
同社の製造子会社ハーバー株式会社(北海道苫小牧市)が仕様、規格を決めて外部委託会社に生産を発注して購入しているもの。製造は、同社の特許製法技術がいかされている。

同社は、深海ザメについて捕獲制限等の規制はなく原料供給に問題は生じていないが、将来の事態に備えて2016年11月に植物性スクワランの取り扱いをはじめて市場に投入した。
一方、主力商品である美容液「薬用ホワイトレディ」には、天然由来のチシマザサ水が配合されている。原料のチシマザサは東北・北海道に群生しており、伐採後ほぼ5年で元通りに復元し安定供給を確立している。

こうした自然派化粧品を中心に事業展開する中で同社の業績は、前期(2017年3月期)で通信販売、店舗販売及び流通事業の主要地域エリアでの広告戦略が販売促進イベントとの相乗効果を発揮。その結果、売上高161憶3500万円、営業利益17億6900万円、当期純利益12億1300万円と増収増益となった。
今期(2018年3月期)は、地域エリア深耕を主軸に通信販売、店舗販売及び流通事業の主要地域エリアでの広告戦略、販売促進イベントの相乗効果やメディア、企業等とのタイアップによる美容講座の開催による知名度の向上及び新規顧客の開拓等が奏功。この結果、売上高175億円(前期増減率8.5%増)、営業利益19億円(同7.4%増)、当期純利益13億円(同7.1%増)を見込んでいる。

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