高野友梨会長にRVHとのM&Aについて聞く ~不二ビューティ、RVHの子会社に、健康産業の橋頭保構築を目指す~

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2017.02.14

編集部

美容サロン大手の株式会社不二ビューティ(東京都渋谷区、代表取締役会長 たかの友梨氏=写真)は、M&A(企業の吸収合併)による株式売却等によって、広告事業やシステム開発等の事業を行う株式会社RVH(東証2部上場)の完全子会社(2月1日付け)となった。たかの会長は、1978年にビューティサロン事業を起こして以降、自らが広告塔の中心になって現在まで40年間にわたって全国にエステティックサロン「たかの友梨ビューティクリニック」を約105店舗開設、社員数約984名を擁する一大美容王国を構築した。だが突然、ここへきて発行済株式の約7割をRVH に売却して完全子会社となった。そこで、不二ビューティたかの友梨会長にRVHとのM&Aについて聞いた。
聞き手・編集顧問加藤勇

―RVH との間で進めたM&Aの内容から伺いたい
「RVHと当社は、それぞれの取締役会での決議を踏まえ両社間で、株式譲渡契約及び株式交換契約を2月1日付けで締結しました。M&Aは、RVHが当社の発行済み株式19万株のうち67.6%に当たる12万8600株を54億円強で取得。同時に、残り32.4%、6万1400株を株式交換により26億円で取得、株式譲渡と株式交換を合わせた株式の総取得価額は、約80億円にのぼります。これによって当社は、RVHの完全子会社となり新たなスタートをきることになりました」

―不二ビューティが運営管理する105の店舗「たかの友梨ビューティクリニック」と984名にのぼる社員の処遇はどうなっていますか
「店舗と社員は、子会社不二ビューティがそのまま引き継ぐとともに、不二ビューティの代表と役員も全員留任することを決定しています。ただし、RVHから不二ビューティの役員として、現在と同数の役員を新たに送り込んでくることになっています」

―不二ビューティの業績は、前期(2016年9月期)で営業利益、最終損益とも黒字に転換しています。業績が回復する中で、なぜM&Aに打って出たのでしょう
「不二ビューティは、創業40年にわたって培ってきた高度なハンドエスティック技術や世界各地の伝承美容技術、最先端のビューティフルエイジングケアを取り入れた豊富なオリジナルメニューを導入し、サービスに努めてきました。また、最近では、エステ発コスメ「エステファクト」展開するなど、強力なブランド確立に向けて取り組んでいます。確かに当社の業績は今期(2017年9月期)通販部門の好調を映して売上高160億円(前期148憶円)を見込むなど回復基調にあります。しかしながら一方で、エステ産業の再編成が進行し当社は、美容産業としてのみならずオルティナブ・メディスン(代替医療)の一翼を担う健康産業として成長発展することを目指しています。そのために、新たなパートナーの基で、健康産業の橋頭保構築に向けて取り組むことを決断し、新たな視点に立って良きパートナー探しとしてM&Aに打って出た次第です」

―それにしてもM&Aの対象相手がなぜRVHだったのでしょう
「RVHは、2016年1月にジンコーポレーションの脱毛サロン「ミュゼプラチナム」を買収し、完全子会社化しています。以降、現在においてRVHグループは、美容事業について主に20代から40代の女性客を中心に顧客獲得や施術予約機能と電子商取引機能を強化した新アプリ「ミュゼパスポート」による全国300万人の顧客基盤を活用した通販事業など、美容周辺領域における収益向上に取り組んでいます。そうした中、ブランドの認知度と直営105店舗を有する「たかの友梨ビューティクリニック」に企業買収の白羽の矢を当てRVHグループ傘下に入れることで、グループ間における相互送客の実現や多様なサービス展開を図ることを決断したと考えています。もちろん100年企業を目指す当社においてもRVHが「たかの友梨ブランド」を引き続き守り育てる上で、未来を託せる信頼できるパートナーと確信してM&Aに応じたことも事実です」

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