肥満手術成功で結婚率が増、離婚率も増

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2018.04.4

国際部

肥満手術前後での人間関係の変化に関する調査結果が3月28日、「JAMA Surgery」に掲載された。今回の調査は、世界最高峰の医学研究所のひとつ、スウェーデンのカロリンスカ研究所が行った。

肥満手術は、重度の肥満患者の生活を変える治療法であるが、これまで対人関係の変化については知られていなかった。そのため、今回の調査では、肥満手術と人間関係の関連を検討した。対象はスウェーデンの2つのコホート。1つ目は1987年9月1日から2001年1月31日の期間に肥満手術を受けた患者(1958人)と手術以外の肥満治療を受けた患者(1912人)とを比較したもの。手術内容は胃バンディング術(368例)、垂直帯胃形成(1331例)、胃バイパス術(259例)だった。2つ目は、2007年1月から2012年12月の「スカンジナビア肥満外科登録簿」に登録の患者(2万9234人)と年齢、性別、居住地に応じた一般集団から選択した対照者(28万3748人)を比較したもの。手術はすべて胃バイパス術だった。結婚と離婚に関する情報はスウェーデン人口登録から取得した。

1つ目の研究では、肥満手術は離婚/別居の発生率増加(調整後ハザード比= 1.28; 95%CI、1.03-1.60; P=0.03)、また結婚または新しい関係のスタートの増加とも関連していた(同 2.03; 95%CI、1.52-2.71; P<0.001)。 2つ目の研究では、胃バイパス手術は、離婚率(同1.41; 95%CI、1.33-1.49; P <.001)及び結婚率のどちらの増加とも関連していた(同1.35; 95%CI、1.28-1.42; P<0.001)。術後の体重減少が大きかった患者ほど、関係状態の変化がより一般的に見られた。肥満術の成功は併存疾患との関連に加えて、人間関係の変化とも関連があることが分かった。

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