ウエストとヒップの脂肪分布に関与する遺伝子変異を特定
2019.01.10
国際部
体脂肪分布の測定に用いられる「ウエスト・ヒップ比(WHR)」は、肥満の指標のみならず、心血管代謝系疾患の重要なリスク要因としても知られている。今回は、このWHRを算出するための基礎となる、臀・下腿部と腹部のそれぞれの脂肪分布に関与する遺伝子変異と糖尿病および冠動脈疾患との関連をUKバイオバンクとゲノムワイド関連研究(GWAS)から検討。研究結果は12月25日、「JAMA」オンラインに掲載された。
2006~18年のUKバイオバンクコホート(参加者45万2302人)とゲノムワイド関連研究(GWAS)からの要約統計量を統合したデータを主な研究対象とした。
その結果、GWASでは、202の独立した遺伝子変異にBMIによる補正ありおよび補正なしの両WHR高値との関連が認められた。二重エネルギーX線吸収解析では(対象者1万8330人)、WHRを高める部位特異的な多遺伝子スコアが確認され、臀・下腿部では低脂肪、腹部では高脂肪とそれぞれ特異的に関連していた。追跡解析では(対象者63万6607人)、両部位の多遺伝子スコアと、血圧およびトリグリセリドの高値、糖尿病および冠動脈疾患の高リスクと関連していることが分かった。